「殻を破り新しいものに挑戦して」愛知駅伝で17年間チーム率いた76歳監督 故郷への誇りを胸に最後の大会へ
県内全54市町村がタスキを繋ぐ愛知駅伝が12月7日、開かれます。南知多町は、小中学校に陸上部がない町ですが、17年間チームを率いてきた76歳の監督が、最後の大会を迎えます。 【動画で見る】「殻を破り新しいものに挑戦して」愛知駅伝で17年間チーム率いた76歳監督 故郷への誇りを胸に最後の大会へ 植田准次さん(76)は、かつて中学校の陸上部で監督を務め、いまは愛知駅伝で南知多町を17年間率いてきました。
この日は、師崎港から船に乗り篠島へ自ら出向いて熱血指導です。 植田准次監督: 「実際ね、中学校に陸上部がないというのは一番いかんですよ」 篠島をはじめ南知多町には、小中学校の陸上部がありません。そのため、子供が陸上競技に触れる環境がありませんでした。
それでも愛知駅伝に出場し続けるのは、監督なりの思いがありました。 植田監督: 「集まってきた子供たちの中で『南知多』という意識を持ってもらえば、将来的に大人になって1回外に出ても、何らかの形で南知多町に貢献できる人間が育ってこないかなと思っていたんです」
「故郷に誇りをもってもらいたい」という思いが、いつしかチームを率いる原動力になっていたといいます。 しかし体力の低下で、満足に指導できない毎日が続いていた植田監督は、今大会限りでの監督退任を決意しました。
南知多町を率いて17年。町の陸上競技の発展のため尽力してきました。 坂野選手: 「いい人です。ちゃんと考えてくれる」 榎本選手: 「監督は優しい。陸上に関する興味を持つ人がちょっとは増えたと思います」 南知多町教育課の森下さん: 「監督がいたから、南知多町の陸上、駅伝チームはやってこれたかなと」 植田監督の思いは、南知多町に着実に浸透していました。
植田監督: 「大会で彼ら彼女らが目一杯自分の力を出してくれればそれでいいよと。今までの殻を打ち破って新しいものに挑戦する、そういう気持ちを駅伝の中で作ってほしいなと思っています」