来年度5%以上の賃上げ、初任給も引き上げ30万円に=大和証券G本社・社長
Miho Uranaka Anton Bridge [東京 24日 ロイター] - 大和証券グループ本社の荻野明彦社長はロイターとのインタビューで、来年度の定期昇給とベースアップ(ベア)について、合わせて5%以上(加重平均)の賃上げを目指す方針を明らかにした。人手不足が深刻化する中、「採用力を強化する」と述べた。総合職の初任給も、現在の29万円から30万円に上げる方向で検討している。 優秀な人材を確保するために、物価上昇率を超える賃上げは不可欠とみている。22、23年度はそれぞれ3.5%、4%ほど、24年度は7%程度、賃金を引き上げており、25年度で4年連続となる。この4年間で2割程度、水準を上げることになる。 初任給の引き上げも実現すれば4年連続で、大和証券Gによると、退職金前払い給を含むSMBC日興証券の31.6万円を除いた大手証券の中で最も高い水準となる。 いずれも、労使交渉を経て決定する。 採用力強化のため、新卒だけでなく中途採用の賃金水準も引き上げる。同社の採用は以前は新卒に偏りがちだったが、2年前から中途を増やし22年度に147人、23年度は161人を採用した。今年はすでに216人が採用され、通年では250人程度となる見通し。 日銀による追加利上げの先行きを見通す上でも、25年度春闘の動向が注目されている。連合は、2025年春季労使交渉(春闘)で、ベアと定期昇給(定昇)を合わせて5%以上の賃上げを目指す方針を示している。