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2020年の調査で生涯未婚率は、男28.3％、女17.8％。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。 「生涯未婚率とは50歳時の未婚率のことです。およそ3割の男性が未婚だと考えると恐ろしいですよね。少子化は免られません」。 昨今はマッチングアプリなど、昭和とは異なる出会いの場もある。 「マチアプ婚も珍しくなくなりましたよね。ただマッチングアプリはトラブルもつきもの。消費者庁の調べによると活用している人の男性で58.5％、女性で59.7％が何らかのトラブルや困ったこと等があると回答しています。具体的には顔や体型等の見た目が写真のイメージと明らかに違った、デート等をドタキャンされた、現れなかった、理想の相手となかなか出会えなかったなどが上がっています。特に40代はお金を貸すよう求められた、詐欺にあったなど、金銭面のトラブルにあったと回答した比率が他の世代より高くなっているようです」。 マッチングアプリは数も増えており、選択肢も広い。その分、様々な問題を秘めているのかもしれない。今回はバーテンダーとして働く女性が感じた、マッチングアプリと令和の結婚観についてだ。 -----------------------------------------------------------------------------------------

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小石川純さん（仮名・38歳）は、夜の町で働いてもう10年以上になる。様々な人間模様を目にしてきた。最近、マッチングアプリをやめたと話す。 「もう疲れちゃったというのが本当のところ。結婚は愚か、彼氏もできませんでしたが、客として来店する未婚者たち、そしてマチアプ勢を見て、こんな人たちの中から一生を共にする人を見つけるのは至難の業だなと思ってしまって…。諦めの境地っていうんですかね」。 純さんを慕ってくれる常連さんは気のいい人が多いが、流しでやってくる特に40代上の男性客にはほとほと嫌気がさすと話す。 「とにかく横柄な人が多いし、私が女ってことですぐに見下してくるんですよね。客商売なんでニコニコしてきましたけど、腹わた煮えくりかえることも何度もありましたよ」。 スマートな飲み方をする人の少なさに愕然とするらしい。 「粋なバー遊びを知らない人が本当に多い。もちろんできる方もいらっしゃいますが、ここ数年なんだかすごく減った気がするんです。場所柄もあるのかな?」。 そんな純さんがアプリを辞めようと思ったのはある非常識な男性客の振る舞いを見たことがきっかけだった。 「今年の初め。まだ冬の寒い時期でした。流しでやってきた40代前半と思われる男性。見た目はそこそこ綺麗めでモテるだろうなと思ったのが第一印象です」。 前日に50代のオヤジ2人組にキャバクラのような絡みを要求されうんざりしていた純さんは、まともな客でありますようにと祈るような気持ちだったそう。 「ジントニックを注文されて静かに飲んでいたところまではすごく良かったです。今日はラッキーと思ったんですけど…」。 ー水! 「その一言でそれまでのイメージは崩れ去りました。コイツもまた最悪なオヤジだって瞬間的にわかりましたね」。 水を差し出すとその男がペラペラ喋り始めたらしい。 「火曜日の夜で空いていて、客はその男1人。仕方なく会話に付き合うことにしたんですけど…」。 ー割り勘問題ってどう思う? 「私は自分の分は普通に払いたいですと素直に答えました。するといきなり…」 ー可愛げがねーなー。結婚してないんでしょ?あっ、できないのか。 あまりにもデリカシーのない会話に純さんは辟易したと話す。 「やばいの招いちゃったな、って気分でした。その後も1人で喋り倒していたんですが、途中でマッチングアプリの話になったんです。どうやら彼、やっているみたいで婚活をしていると話していました」。 ー俺さ、そこそこモテんのよ。だからマチアプなんて使わなくってもいいけど、ものは試しじゃん?だから使って何人かに会ってるんだけどさ…。初デートはサイゼって決めてんの。あえて。そこでどんな態度取るかって、見ものじゃん?人間性でるな～って思うわけよ。 得意げに話す男に純さんは心底呆れたそう。 「バーという場所だから話したのかもしれませんが、あんまりにもデリカシーがないし、下世話。それを得意そうに話す姿に本当に嫌な気持ちになりましたね」。 でもその一方で頭に微かに不安を覚える。 「アラフォーで結婚できない私ももしかして、こういう風に世間から見られているのかなって。40代で未婚って何か問題あるっていうじゃないですか。よく…」。 【後編】ではあえてファミレスに連れて行った先で起こった顛末について深ぼっていく。 取材・文/橋本 千紗