国民民主・玉木代表「離党についての連絡は一切なく、離党届が内容証明郵便で」 前原氏離党の経緯を語る
野党としての立ち位置が争点となった代表選 ~結果に従うのが党内民主主義
玉木)いま政権を持っているのは自民党・公明党ですから、そことも協議しながら進めていく。ただ、従来の野党とは違うあり方について批判があることも事実ですので、それを公に「選挙で問いましょう」としたのが、8~9月の国民民主党の代表選挙だったのです。 飯田)代表選で。 玉木)同じ党なので、政策はそれほど変わらないのですが、路線をめぐって激しいやり取りを行い、「終われば、その結果に従う」というのが党内民主主義です。実際に前原さんも「ノーサイド」とおっしゃいましたし、私もそれを信じました。終わったあとも前原さんには引き続き代表代行として、党のナンバー2の役職をお願いしたのです。そのように「一致協力していきましょう」という最中の出来事だったので、我々もそうですが、4日に開かれた都道府県連幹部の全国幹事会では、「残念だ」という思いを述べている方も多かったです。
前原氏の離党で党の組織能力に疑問 ~同じようなことを再発させないために
戦略科学者・中川コージ)選挙の際、公約で言ったことをやらないとか、公約で言っていないことをするのも問題なのですが、「分裂する」というのも問題だと思います。信任して票を入れたのに、党が分裂してしまった。前原さん個人の問題や感情論はいったん置いておき、党のガバナンス、組織的な能力は、今回のことで疑問符が付いたと思います。これについては、どう解決していくのでしょうか? 再発させないために、どのようにお考えでしょうか? 玉木)我々が3年前に結党した際、1つ心に誓ったことは、「選挙を政治家の就職活動にするのはやめよう」ということです。当時は立憲民主党に合流するかしないかという話があり、多くの人が合流しました。いいか悪いかは別として、いまの制度上、大きな政党に属した方が選挙には有利です。ただ、選挙を重視し過ぎるがあまり、自分たちが訴えてきた政策や理念をそっちのけにして、受かりやすいところへいく。また、自分の保身のためではないかと思われたことへのアンチテーゼが我が党なのです。 飯田)政策や理念を訴えると。 玉木)「志はよい」ということで、2年前に皆さんが入れてくれた票があり、それによって比例復活の枠ができ、新人が通ってくるわけです。しかし、一旦通ると今度はその理念が共有できていない新人の方を中心に、どうしても、それがある種の既得権益になる。次も受かりたいと思うのは当然ですが、「選挙ではなく政策理念だ」というところが共有できていなかったことは反省しています。 中川)理念の共有を、所属議員に強制することはできないと思うのですが、その辺りはどうするのでしょうか? 玉木)選挙で党内民主主義を徹底するということですね。「決まったことには従う」という最低限の文化がないと、うまく機能しませんので、二度とこのようなことはないと思います。いま残っているメンバーは思いを共有しています。