【加速する円安】「1ドル=155円」まで接近…最近の「円売り・円買い」要因とは?【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
デジタル赤字は円売り要因、旅行収支の黒字は円買い要因、円の需給ではサービス収支も重要
サービス収支は、輸送、旅行、その他サービスで構成され、1996年から2023年までの年間金額の推移は図表2の通りで、赤字基調にあります。デジタル赤字を計算する際によく用いられる、(1)著作権等使用料、(2)通信・コンピューター・情報サービス、(3)専門・経営コンサルティングサービスは、その他サービスに含まれますが、足元で、その他サービスの収支の赤字は増加傾向にあり、これは外貨買い・円売り要因となります。 旅行収支は赤字から黒字に転じていますが、これは日本から海外への旅行より、海外から日本への旅行が増えているためで、外貨売り・円買い要因となります。このように、日本はこの28年ほどで、「輸出で稼ぎ海外に旅行する」構造から「対外金融資産で稼ぎ、デジタルサービス料を払い、海外の訪日客で賑わう」構造へと変化したと判断されます。そのため、円の需給をみる上では、貿易収支に加え、サービス収支の中身も重要と思われます。 (2024年4月17日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【加速する円安】「1ドル=155円」まで接近…最近の「円売り・円買い」要因とは?【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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