ドイツは蘇るのか― 2024年に欧州選手権を自国開催するサッカー大国
クラブでは、2019/20年シーズンにバイエルン・ミュンヘンが欧州チャンピオンズリーグ(CL)を制するなど、欧州でもトップクラスの結果を残している。過去5シーズンの欧州CLなどUEFA(欧州サッカー連盟)主催試合の成績を基にしたクラブランキングでも、ドイツ勢は上位11チームまでにバイエルン、ライプツィヒ、ドルトムントが入っており、他国のクラブと比較しても遜色はない(イングランド勢は4チーム、イタリアが2チーム、スペインは1、フランスは1)。
1次リーグが終わった今季の欧州CLも出場4チーム中、バイエルン、ドルトムント、ライプツィヒの3チームがベスト16入りを果たしている。代表チームの凋落とは裏腹に、クラブレベルでの競争力は落ちていないといって差し支えないだろう。 ナーゲルスマン監督就任後のドイツは10月に親善試合で米国に3―1で勝利して初陣を飾り、メキシコとは2―2で引き分けた。上々の再スタートかと思われたが、11月にはトルコに2―3、オーストリアに0―2と2連敗。つかみかけていた浮上のきっかけを手放してしまい、2023年の活動を終えた。11月の親善試合を終えたナーゲルスマン監督は「ピッチの外では非常に団結力があるチーム。だが、それをピッチ上に反映させることができていない。それぞれが1人で戦い、自分のことで精いっぱいという感じだ」ともどかしそうに語っている。同時に「私たちはさらに努力しなければならない。選手全員が“偉大なサッカー選手”という考えから脱却しなければ。これからの3か月半は簡単ではない。全力を尽くしてやり遂げなければならない」と、危機感をにじませている。 年明けの3月にはフランスとオランダとの親善試合が控えており、それを終えると6月の欧州選手権を迎える。これまで優勝3度は大会史上最多タイ(スペインも3度で並ぶ)であるが、1996年大会を最後に遠ざかっている。 大会はミュンヘンやドルトムント、ベルリンなど10会場を舞台に6月14日から7月14日までの1カ月間行われる。ドイツにとっては期待だけでなく、大きな重圧とも向き合う祭典となる。
VictorySportsNews編集部