当選確実とし、万歳をする今井さん（27日午後8時7分、可児市で）

　衆院選は27日に投開票され、岐阜県内5選挙区のうち、自民前議員が4選挙区で勝利した。4区では立民元議員が自民派閥の政治資金規正法違反事件などによる政権批判票を取り込み、自民前議員との激戦を制した。小選挙区制が導入された1996年以降、4区の議席を非自民候補が奪ったのは初めて。自民が小選挙区で負けたのは政権交代になった2009年に3選挙区で敗れて以来15年ぶり。12年から続いていた5議席独占を果たせず、「保守王国」の一角を崩された。

　「山ではなく4区が動いた」――。与野党一騎打ちとなった4区は、立民元議員の今井雅人さんが6度目の挑戦で小選挙区で初めての当選を確実にすると、可児市の事務所は支援者らの拍手と歓声に包まれた。 　過去4度の当選はいずれも比例選での復活に甘んじ、前回選は比例復活もできずに落選。保守地盤に阻まれてきたが、小選挙区で返り咲き、「本当に感無量」と喜びをかみしめた。「勇気を振り絞って私に託していただいた皆様に感謝申し上げたい」と述べ、政治改革などに意欲を示した。

　選挙戦では、企業・団体献金の禁止や都市部と地方の格差解消などを主張。公示前から野田佳彦代表も駆けつけ、「政権交代こそ、最大の政治改革」などと訴えてもり立てた。政権批判票を取り込み、優位な展開に持ち込んだ。 　自民前議員の金子俊平さんは「政治とカネ」の逆風を受け、3度目の対決となる今井さんの背中を当初から追う展開になった。地域経済の振興や災害に強い地域づくりなどを訴え、岸田文雄前首相らが次々来援したが、巻き返せなかった。父・一義さんらによって自民が死守してきた4区の議席を初めて失った。