東京・上野に実在する「熟女が男性をナンパする出会い喫茶」の正体…なぜ70~80代男性とシングルマザーは付き合うのか?
裸で触れ合おうという意欲
デートは月1~2回。ご飯だけだったら1万円、ホテルに行く時は3万円となんとなく決まっているという。お金も直接手渡すのではなく、お風呂に入っている間に、バッグの近くに置いてあるというスマートさがある。ちなみに、行為は体位によっては膝が痛くなるなど、不具合もあるそうだが最後までできるとのこと。 「お酒を飲むと全くダメなので、ホテルに行く時は事前のデートでは食事のみ。お酒を飲みましょうという時は、1万円コースです。歳を重ねていくと、女性と関わる機会ってどんどん失われていくじゃないですか。 女性と定期的に会うことで性的に興奮する機会を持ちたいとお話ししてましたね。50~60歳の時に、弱くなってきたなと感じることがあったそうなんです。そこで『歳だし仕方ないな』と諦めちゃうと、そのまま勃たなくなってしまうのかもしれません。でも、それは嫌だなということで、いろんな機会を自らつくろうとしてきたみたいですね。 勃起させよう、裸で触れ合おうという意欲が大事で、そうじゃないとどんどん老いてしまうんじゃないかな?と思われている気がしています。お付き合いしているおじいちゃんたちは、生涯現役でいたい、男性として現役のまま死にたいという共通の願いを持っていますね」(同) 彼女は離婚した後、子供を一人で育てており仕事もしている。そのため、交際クラブは副業のような位置付けにある。 「ものすごくお金が必要かというと、そんなでもない。好奇心と収入と趣味……のような感じですね。もともと人の役に立ちたい気持ちが強いので、福祉的というか、社会的にも意義があって人助けになってるので続けている気持ちもあります。 ですから、相手の方が私と会うことで活力を得て日常を頑張れたりとか、すごく感謝してくれたりとか、そういうことが私にとっては大事なんです。だから、いろんな話をするし、お互いにどう思っているかを確認したりもします。『なんで私とずっと付き合ってくれるんですか?』と聞いたことがあるんですが、『あなたはいろんな仕事をしてきて、生活力もあるよね。 そういうところがすごいと思うし、その姿を見て、この歳になっても吸収するものがある。話も弾んで面白い。そんなあなたのことが好きです』と言っていました。 私も相手の方のことを信頼していて、人間的に好き。体を鍛えていて男性として魅力的なところや、これまでのお仕事のお話を聞くのも好き。だから『頑張っているところがとても素敵ですよね。大好きです』などと伝えています。 お互いに、男性として女性としてだけでなく、人としても好かれ合っているのが態度でもわかるので一緒にいて嬉しいなと感じます。お酒を飲みながら他愛もない話ができる、人間としてつながれているから、付き合いが続いているのでしょうね」 写真/shutterstock ---------- 中山美里(なかやま みさと) 1977年生まれ。東京都出身。編集プロダクション・オフィスキング所属。高校卒業後、ショーダンサー、出版社アルバイトなどを経てフリーライターに。雑誌やウェブで性をテーマに取材・執筆を行う。処女作『16歳だった~私の援助交際記』(幻冬舎)がベストセラーに。主な著書に『ネット風俗嬢』(リンダパブリッシャーズ)、『漂流遊女』(ミリオン出版)、『高齢者風俗嬢』(洋泉社)、『副業愛人』(徳間書店)など。2022年にAV女優などの仲間と一般社団法人sienteを発足。AVや風俗などセクシャルウェルネス産業に対する差別や偏見をなくすための活動をしている。 ----------