「日本の自動運転を加速させる」、モビリティに特化したGPUテストサービス開始へ 4月から
NVIDIA 日本代表兼米国本社副社長 大崎真考氏
ネクスティエレクトロニクスとジーデップ・アドバンスは、NVIDIAの最新GPU環境を1週間単位で利用できる「GPU Advanced Test Drive(GAT)」を4月1日より開始する。2月26日に開催された発表会にはNVIDIA 日本代表兼米国本社副社長 大崎真考氏も登壇し、日本のモビリティ産業を生成AIで活性化させたいとエールを送った。 ◆自動運転におけるAI活用、国によって違い レベル3以上の自動運転、高度な走行安全機能、あるいは物流や地方交通の課題解決には、今以上にAIの活用が求められている。そのAI開発と活用を支えているのがGPUだ。モビリティ領域でも、画像認識や自動運転のためにAI学習環境としてのGPUサーバーの利用、そこで開発されたAIモデルを実行するエッジ側(車両側)のGPU採用が進んでいる。プロセッサの価格や消費電力などの課題はあるが、車両ECUにもGPUが当たり前のように搭載される時代がそこまできている。 だが、自動運転技術においてGPUやLLM(大規模言語モデル)を積極的に活用する動きは米国と中国が先行し、日本やEUは採用に消極的だ。画像処理にはAIを活用するものの、自動運転や安全制御はルールベースやシナリオベースの従来アルゴリズムにとどめており、生成AIやLLMを使った車両制御には慎重を期している。 この違いは各国のMaaS企業、自動車OEMのGPUサーバーの導入数に如実に現れる。GPUの世界市場を席捲しているのは言うまでもなくNVIDIAだ。NVIDIA DGX SuperPOD(DGX A100×20のサーバークラスタ)は2019年ごろから急激に増えている。世界規模のOEMやMaaS企業にはDGX SuperPODを50台以上導入しているところもある。テスラのDojo(自社オンプレミスAI学習プラットフォーム)では130台以上のDGX SuperPODが稼働しているとされる。 残念ながら、日本OEMや企業でこのようなAIプラットフォームを持っているところはほぼ皆無だ。Preferd Networksは一時期、独自アーキテクチャのAI開発プラットフォームを持っていた。現在、チューリングが自社のLLMプラットフォームを構築しているが、これらは例外といってよい。
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レスポンス 中尾真二