京本大我〈描ける夢は きっと叶う〉 念願の『モーツァルト!』主演への並々ならぬ想い
古川雄大と京本大我がWキャストで上演するミュージカル『モーツァルト!』が8月19日東京・帝国劇場で開幕した。本公演は2025年に建て替えにより休館する同劇場のクロージングラインナップ作品の一つであり、9月29日まで同劇場で上演したのち、10月8日からは大阪・梅田芸術劇場 メインホールで、11月4日からは福岡・博多座での公演が予定されている。 【写真】楽しそうな京本大我 本作はヴォルフガング・モーツァルトの35年の生涯を描いたミュージカル作品で、日本での初演は2002年。日生劇場にて井上芳雄、中川晃教のWキャストで産声をあげ、山崎育三郎、古川らの手によって大切に育てるように歴史を重ねてきた。そして今年、5代目ヴォルフガングとして京本の名前が刻まれた。 古川と京本は2015年上演の『エリザベート』のルドルフ役で共にWキャストを務めた仲で、古川の本作の出演は今回で3回目。それぞれの初日のカーテンコールの模様は公式YouTubeでも公開されており、古川主演回で語られた古川の言葉からは、“帝劇0番”の担う重みや緊張感が伝わってきた。また、京本のヴォルフガング役についても触れ、「本人には言ってないんですけど、悔しいくらいめちゃくちゃいいヴォルフガングでございます」として「期待していただけたら」と客席に呼びかけていた。一方、京本のカーテンコールでは、初出演のフレッシュさがありながら、舞台人らしい顔つきと堂々たる出で立ちに、愛らしさがあり、晴れやかな表情からは充実ぶりが伝わってきた。京本主演回の初日には舞台袖で古川が見守っていてくれたという。そんなところからもカンパニーの品格や雰囲気が伝わってきた。 2人は7月3日放送の音楽特番『2024FNS歌謡祭 夏』(フジテレビ系)に揃って出演し、『モーツァルト!』から「僕こそ音楽」を披露した。帝国劇場の雰囲気を彷彿とさせる赤系のスーツ姿で登場し、古川はベテランの風格でなめらかかつ重厚感漂う歌唱を。一方の京本は心躍る様子で瑞々しい歌唱を披露した。この時点でもくっきりと両者の個性に溢れ、Wキャストとして抜擢された意味や説得力、そして歴史ある作品を自分たちが受け継ぎ、さらにここから作品に磨きをかけるような意思と、新たなキャストならではの新鮮さをまとって作品を印象づけた。両者ともに抜群の存在感と気品溢れる佇まい、何より並々ならぬ努力を重ねてきたであろう者だけが見せる芯のある表情。柔らかさと鋭さが共存する姿が美しく、作品への期待が一層高まった。 上演が近づくと2人が表紙を飾る雑誌が書店に並び、インタビューではともにヴォルフガング役抜擢への喜びを語り、京本は「夢が叶った」とも。