減量薬のオゼンピックがベビーブームを生み出す? 糖尿病治療の薬が避妊の効果に影響か
フィッチ医師は、「オゼンピックのような減量薬が、乳幼児や発育中の胎児にどのような影響を与えるのかはまだ分かっていない」と話す。GLP-1減量薬が胎児に及ぼす影響を理解するためのデータ収集は10年以上かかると予想される。生殖精神医学の専門家で、妊産婦のメンタルヘルスケア・プラットフォーム「マビダ・ヘルス(MAVIDA HEALTH)」の創設者であるサラ・オレック(Sarah Oreck)医師は、「オゼンピックを服用している人の中には、ほかの薬剤を併用していたり、うつ病を患っていたり、多元的な問題を抱えている人もいるので、減量薬の直接的な影響を研究するのは難しい」と話す。
JPモルガンリサーチは、米国では2030年には3000万人がGLP-1減量薬を服用していると予測。フィッチ医師は、「不意の妊娠が増えることは問題だ。初期に集めたデータは、妊娠期間に対して胎児が十分に成長していないという所見を示している」と危惧する。妊娠が発覚した後は、直ちに投薬を中止することが推奨される。また、妊娠を希望する人は、積極的に妊娠を試みる6週間前に薬の使用を中止すべきだ。一方でオレック医師は、「人々が生殖補助医療や体外受精に何百ドルも何千ドルも費やす前に、利用される手段になるかもしれない。産後の減量にも役立つだろう」と述べた。