[山口県]県内各地で激しい雨 19地点で11月最大降水量
台風21号から変わった温帯低気圧や前線の影響で、山口県内は1日夕から2日昼過ぎにかけて各地で激しい雨に見舞われた。下関地方気象台によると、21観測地点のうち24時間降水量が山口市篠生で241・5ミリと観測史上最大を記録したほか、18地点で11月の観測史上最大となった。 1日午前7時の降り始めから2日午後3時までの総降水量は岩国市羅漢山で278ミリ、岩国市広瀬で276ミリ、周南市和田で275・5ミリ、萩市土原で270ミリ、周南市鹿野で260・5ミリなどを記録。県内の11月の平年1カ月の降水量を大幅に上回った。 また、防府市では2日午前9時59分に最大瞬間風速18・4メートルを記録し、11月の観測史上最大を更新した。 ■JR、高速道路など乱れ 山口県内は2日、在来線の全路線が始発から終日、新幹線が一時運転見合わせとなったほか、高速道路や国道の一部区間が通行止めになるなど交通機関に乱れが生じた。今年最後の3連休初日だったこともあり、山口市小郡令和のJR新山口駅では新幹線の運行再開を待つ旅行客らで一時、混雑した。 新山口駅の新幹線改札付近や南北自由通路では午前中、大きな旅行かばんを手にした人たちが通路に腰を下ろしたり、JRが用意したブルーシートの上で休んだりする家族連れなどが見られた。東京方面の列車は2時間以上の遅れや運休が生じ、みどりの窓口には切符の払い戻しや変更を希望する人たちが長い列を作った。 孫の七五三を祝うため東京へ夫婦で行く予定だった山口市の女性(64)は、乗車する「のぞみ」が約140分遅れになったといい、「2時間も待っている。今日中に東京に着けば良いけど雨雲も東に向かっているようなので、また途中で止まらないか心配だ」と不安そうに話した。観光目的で子どもを含む家族5人で神戸と淡路島へ向かうという宇部市の会社員男性(32)は「新幹線が遅れる分だけ計画が狂うのは残念だけど、天候の影響だから仕方ない」と話し、ブルーシートの上で運行再開を待った。 JR西日本中国統括本部によると、県内の在来線は山口線と山陰線の一部区間を除き3日始発から運転再開の見込み。山口線の宮野―益田駅間と山陰線の益田―長門市駅間は同日午後以降の運転再開見込みで、SLやまぐち号は運転を取りやめ、特急「スーパーおき」は新山口―益田駅間で運休する。