第96回アカデミー賞5部門ノミネート ジョナサン・グレイザー『関心領域』予告編公開
5月24日より新宿ピカデリーほかにて全国公開される『関心領域』の予告編とポスタービジュアルが公開された。 【写真】『関心領域』場面写真 A24が製作を務めた本作は、イギリスの作家マーティン・エイミスの同名小説を原案に、『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』のジョナサン・グレイザー監督が10年もの歳月をかけて映画化したもの。「The Zone of Interest(関心領域)」とは、第二次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・オシフィエンチム郊外にあるアウシュヴィッツ強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの地域を表現するために使った言葉。映画では、アウシュヴィッツ強制収容所と壁一枚隔てた屋敷に住む収容所の所長とその家族の暮らしが描かれる。 初お披露目となった第76回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞して以来、トロント映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、全米映画批評家協会賞など各地の映画賞を続々受賞。第81回ゴールデングローブ賞では、作品賞(ドラマ部門)ほか3部門にノミネートされ、第77回英国アカデミー賞では、英国作品賞、外国語映画賞、音響賞を受賞。そして第96回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞、音響賞の計5部門にノミネートされている。 キャストには、『ヒトラー暗殺、13分の誤算』のクリスティアン・フリーデル、『ありがとう、トニ・エルドマン』のザンドラ・ヒュラーらが名を連ねている。 公開された予告編は、「この映画を観たことは一生忘れないだろう」「どんなホラー映画よりも恐ろしい」「今世紀最も重要な映画」「目をそらしてはいけない」という海外映画評のテロップから始まる。そして、壁の向こうにはまるで何もないかのように暮らす家族たちの、どこにでもある穏やかな日常が映し出されている。映像では、壁一つ隔てた収容所の存在が、音、建物からあがる煙、家族が交わす視線や気配から着実に伝わってくる様子なども捉えられている。 ポスターでは、アウシュビッツ収容所の隣でアウシュビッツ収容所の所長とその家族が、緑生い茂る広い庭で過ごす様子が切り取られている。また、本来収容所が写っているはずの壁の向こうは、漆黒に塗りつぶされているデザインとなっている。
リアルサウンド編集部