営業利益率30%!人材活用クラウド銘柄の「次の一手」
三室 克哉(みむろ・かつや)/1969年2月5日生まれ。1993年早稲田大学大学院修了、ニューラルネットワーク・並列処理・画像処理などを研究。同年、野村総合研究所(4307)入社 。2007年8月にイージーコンサルティング(現プラスアルファ・コンサルティング)取締役。同年10月から現職(撮影:梅谷秀司)
2021年6月に東証マザーズに上場したプラスアルファ・コンサルティング(4071)は、データ分析・可視化のクラウドサービスを展開するSaaS企業だ。11月12日に発表した前2021年9月期決算は売上高61億1800万円(前期比29.4%増)、営業利益21億0600万円(同47.3%増)と大幅な増収増益だった。今2022年9月期も売上高76億5000万円(同25.0%増)、営業利益25億円(同18.7%増)と売上高営業利益率30%以上を維持しながら成長を続ける計画だ。 人材活用、マーケティング、CRM(顧客関係管理)の3分野を手がけ、中でも人材活用の「タレントパレット」の成長が著しい。今後の事業戦略について三室克哉社長に聞いた(取材は10月11日)。 ――2016年に開始したタレントパレットの売上高が急拡大(2021年9月期は前期比65.8%増収)。マーケティング分野の「見える化エンジン」、CRM分野の「カスタマーリングス」より後発でしたが、短期間で稼ぎ頭に成長しています。 働き方改革やコロナ禍でのリモートワーク化の流れに加えて、人的資本の考えがグローバルに広がり、経営者の間で人事や人材活用に対する見方が変わってきた。そうしたときに人材のマネジメントに必要になってくるのがデータの活用。タレントパレットはマーケティングの分析手法やデータ活用のノウハウを載せているので、そうしたニーズに上手くはまって伸びてきたのではと考えている。 ただ、タレントパレットにコロナ禍がどう影響したかというと、実は正確にはわかっていないところがある。サービスが伸びているときにコロナ禍になったので、これがなければもっと伸びていたのかもしれない。 ――一方、見える化エンジン(2021年9月期は前期比2.9%増収)とカスタマーリングス(同8.9%増収)にはやや伸び悩み感があります。コロナ禍が逆風になっているのでしょうか。 とくに見える化エンジンはホテルやレジャー、空運などの企業がコストを削減した影響を受けた。その中で、新規獲得よりは既存顧客により深く使ってもらう戦略で、社数よりも契約単価の向上を図り、計画も達成できている。カスタマーリングスもそれに近い状況だ。 コロナ禍が収まれば、それぞれの市場成長率と同程度の成長に復帰できると考えている。見える化エンジンは10%程度、カスタマーリングスは15%程度の成長を見込める。
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山田 泰弘