新たな価値観、フォーミュラE 公道も使用、静かな迫力―自動車
3月下旬から4月上旬にかけて、自動車の国際的なレースが日本で立て続けに実施された。 【写真】日本で初開催された電気自動車の国際レース「フォーミュラE」東京大会の決勝レース=30日、東京都江東区 三重・鈴鹿サーキットでのF1日本グランプリ(GP)に先駆けて行われたのが、「フォーミュラE」東京大会。2014年に始まり電気自動車(EV)のF1と呼ばれるシリーズは日本初開催となり、決勝が行われた3月30日には約2万人が訪れた。 会場を訪れたF1ドライバーの角田裕毅(RB)は「東京でいいなあ、と少し嫉妬心もあった。いつかF1も東京でやれたら最高。普通に見ていて楽しかった」と好印象を語った。 特徴の一つは、コースに公道も使用されたこと。会場は東京ビッグサイト周辺で「止まれ」などの路面標示がある道を高速マシンが走り抜けるのは新鮮だった。コースの道は狭く、技術が求められる側面も。優勝したマクシミリアン・ギュンター(ドイツ、マセラティ)は「タイトなトラックは困難だけど、楽しかった」と笑みを見せた。 EVのため走行中の音は小さく、観客席との距離も近い。視察した小池百合子東京都知事は「すごい迫力。静かに、ずしんとくるものがあった」と表現。F1マシンの大きなエンジン音に慣れたファンは物足りなさを感じるかもしれないが、新たな価値観をもたらした。 都は30年までに都内で新車販売される乗用車の100%非ガソリン化を目指しており、フォーミュラEを実施することで「ゼロエミッション車(ZEV)」の周知を進めていきたい考え。担当者は「ZEV普及の起爆剤として、引き続き協力し、定着させていきたい」との見解を示している。