【バレー】春高を逃した履正社高のU19日本代表コンビ 再び日の丸をつけるときを目指して
2024年1月4日(木)に開幕する第76回全日本高等学校バレーボール選手権大会(春の高校バレー)の出場は逃したものの、同予選で力を尽くした選手たちを紹介する「次の勝者たち」。今夏の第 18回世界 U19女子選手権大会(クロアチア)を経験した履正社高(大阪)の伊藤一葉と井野麻彩(ともに3年)は、次の舞台での成長を誓った 【画像】井野麻彩、伊藤一葉(U19女子日本代表)その他の写真
初のアンダーエイジカテゴリー日本代表も積極的に挑戦した夏
金蘭会高が春高出場を決め、熱気冷めやらぬコート。表彰式に、ジャージ姿の伊藤一葉と井野麻彩が現れた。第 18回世界 U19女子選手権大会出場をたたえられ、ともに大阪府高体連専門部から優秀選手賞の表彰。喜びはある。だが、井野の胸中は複雑だった。 「自分もあそこでプレーして、春高に出たかったな、と思います」 代表決定戦進出を懸けた前週の決勝ラウンドで、大阪国際滝井・大阪国際高にストレート負け。夢舞台への道は閉ざされた。昨年度は2年生ながらともに得点源として活躍し、インターハイ府予選、そして春高府予選でチームをベスト 4へ牽(けん)引。だが、今季は一度も四強には届かず、井野は悔しさも口にしたが、すぐに「みんなで勝つために出しきったので悔いはないです」と言い直した。その表情には、充実感も漂っていた。 実りの多い1年だった。夏場にはそろってアンダーエイジカテゴリー日本代表に初選出。井野は「初めてで不安はありましたが、何か一つでも成長するぞ、という思いでした」、伊藤は「びっくりしました。今までよりレベルが高い人たちばかりで、ついていくためにめっちゃ頑張りました」と必死に食らいついた。 だが、海外の高さは想像以上だった。井野は「スパイクを打つのも怖かった」とひるんだこともあったが、『挑戦せずに失敗するより、挑戦したほうがいい』と言われて。そこから挑戦することが大事だと思いました」とアグレッシブにプレー。予選リーグのセルビア戦、アメリカ戦ではともにコートに立つなど、伊藤は9試合中8試合、井野は2試合でスタメン出場。イタリアとの3位決定戦ではフルセットの末に惜しくも敗れたが、互いの成長を感じる11日間だった。 「イッチ(伊藤)はサーブがめっちゃよくなった。サーブだけではなくてほかのプレーももっとすごくなって、チームを救ってくれる存在です」(井野) 「コースの幅がすごく広くなっていて。しんどい場面もありましたが、ここぞというときに頼れる存在だったと思います」(伊藤)