【デーブ大久保コラム】新庄監督には4年目も指揮を執ってほしい。結果はまだ出ていないのですから
【デーブ大久保 さあ、話しましょう!】 敗退後、画面を見ながら何度も拍手を送っていました。パ・リーグのCSファイナルステージでの日本ハムはソフトバンクに負けましたが、大健闘ですよ。本当にいいチームになっていました。シーズン75勝60敗8分けで、貯金15ですよね。十分過ぎる結果です。今季はソフトバンクが強過ぎたんです。 【選手データ】新庄剛志 プロフィール・通算成績 最後は3連敗で終わってしまいましたが、来季が非常に楽しみなチームです。これもすべて新庄剛志監督の考えと日本ハムの育成システムが合致した結果でしょう。日本ハムの育成は徹底したものがあります。ほかの球団とは少し違うんです。 ほかの球団は例えば、Aという選手に対し、最初に500打席を公式試合で立たせようという方針を打ち出します。しかし、A選手の打席内容を見ながら途中で打ち切ることがあるんです。しかし、日本ハムは方針を決めたら徹底的にそれを最後までやり遂げてから判断をしています。これは非常に我慢が必要な作業になりますが、日本ハムはできるんですよね。 そういう下地があっての新庄監督の誕生。実際に破天荒な行動を取っているように感じますが、デーブ的には非常に科学的なことを基に、練習に取り入れているなあ、と思っていました。新庄監督自身は自分の経験を生かした練習法を行っているだけかもしれませんが……。 一番分かりやすいのは、就任1年目のキャンプで、自動車を使って外野からホームへの送球の高さを示したことです。一見、驚きもありますし、たぶん選手たちは楽しみながら目標地点を自然と身に付けられたと思います。あれも科学的、データ的に、この高さで送球すれば、ズレが小さく、内野のカットマンも受けやすくなるという高さの数字があるんです。それをコーチが「高さ1.6メートルで投げろ!」とだけ言ったところで、送球中に計算などできないですよね。 結局、あとから「あの練習が今生きている」という形になっているのだと思います。万波(万波中正)ら外野陣の送球は素晴らしいですよね。そういう積み重ねが3年目に結果に表れたと思います。 前段で話をした、我慢をして徹底した育成を行う球団の方針と新庄監督の、実は非常に理にかなっている練習や作戦が3年目に少し花開いたのです。昔ながらの阪神を体験し、華やかなメジャーと、厳しいメジャーを経験。その後日本ハムで成功を収めた人物です。私などの理解を超えた野球の引き出しを持っているはずです。 日本ハムとの契約は3年で今年で満了だそうですね。ドラフト会議のときに進退を公表するということを聞きましたが、デーブ的には本人はまだまだやりたいことがたくさんあるのだろうと思いますよ。超絶強いソフトバンクを倒すために、4年目の指揮を執ってほしいと思いますね。まだまだ新庄監督の下、強くなりますから。
週刊ベースボール