売木村との「人の循環を」 浜松市でワークショップ
長野県売木村と静岡県浜松市の中心市街地を結ぶワークショップツアーが、昨年10月から計4回にわたって行われた。最終回は4日に浜松市中央区の「新川モール」で開き、両市村を中心に全国から約25人が参加。キノコの菌打ち体験などを通して交流を深め、三遠南信の連携を目指した次の展開に向けて思いを強めた。 関係人口創出を目的に売木村が注力していた観光イベントが新型コロナや人出不足の影響で中止になる中、新たな関係性を構築しようと、元村地域おこし協力隊で現在は浜松市で企業を経営する能見奈津子さんが企画。両地域を橋渡しする形で具体化させ、浜松市の企業3社と売木村が共催した。 浜松市で開いた4日はまずマイタケ用の原木を植えるプランター作りに挑戦。家庭菜園が難しい街中でも栽培ができることを知ってもらおうと、全員で協力しながら木材を切ったりくぎを打ったりした。 この日の午前中は曇り空が広がり、昼頃まで気温が上がらない時間帯が続いたが、村が提供した炭の火に当たりながら和やかに作業を進めた。 午後からは村民の指導でシイタケの菌打ちを体験。売木村で切り出した原木にドリルで穴を開け、種駒を差し込んでハンマーで打ち込んでいった。原木は新川モールに置いて管理し、収穫を目指すという。 能見さんは「雪山に入って木を切るなど楽しいだけのツアーではなかったが、県外から毎回参加してくれる人もいた」と振り返り、「売木と浜松双方を行き来する循環を生み出し、村の魅力発信と活性化につながれば」と期待した。主催企業の1つ、「パーマカルチャーデザインラボ」共同代表の大村淳さんは「三遠南信のつながりを再びつくり、集まれば面白いことができるはず。人と自然を循環させたい」と語った。 参加した清水秀樹村長は「引き続き交流を続けていきたいという強い思いをいただいた。その気持ちを大事にし、村としても支援していきたい」と次を見据え、「村に関わることで村を好きになってもらい、次の人を誘う形で輪が広がっていけばいい」と願った。 昨年10~12月の計3回は売木村で実施。参加者は野菜の収穫や炭焼き体験に加え、村民の案内で山に入ってキノコ狩り、コナラの伐採と引き出しなども体験した。