最高月収150万円・70歳の元エリートサラリーマン「ぶざまだな…」と自虐…勝ち組確定のはずが一転、「日雇いバイト」を探すしかない「まさかの実情」
アプリで日雇いバイトを見つける「70歳男性」の身に起きたこと
現役引退のあとは収入が大きく減るため「生活していけるか」という不安がつきまといます。そのような不安とは無縁であれば定年で現役を引退できるでしょうし、不安があるのであればその払拭のために現役を続けるしかありません。結局「何歳まで働きたいか(働かないといけないのか)」というのは、今と昔、それほど変わっていないのかもしれません。 定年で現役を引退できるのは、十分な貯蓄があり、定年後の生活に何も心配がない人だけ。煩わしいしがらみから解放され、お金の心配がなく、自由気ままな日々を送る……そんな、何とも優雅な定年後の生活は、サラリーマンの勝ち組だけに許されたものです。ただそんな生活を手に入れたからといって、全員が優雅な生活を続けられるとは限りません。 単発バイトで70歳の男性と一緒になったという健吾さん(仮名・22歳)。40歳以上も上の男性は、この日、初めて日雇いのアルバイトを体験するということで、右も左もわからない状態。そこで何かとお世話をしていたところ、70歳の男性の身の上話になったといいます。 ゆたかさん(仮名・70歳)は、有名企業の本部長にまでのぼりつめたという元・エリート。「えっ、スゴイ! どれくらい給料もらえるもんなんですか?」と、無邪気に聞いたところ、「最高で月150万、年収で2,500万円くらいかな」と桁外れな回答が返ってきたといいます。 50代後半で役職定年となり、60歳で定年退職。退職金は4,000万円ほどあり、独身でお金を使うような趣味もなかったため、貯蓄と合わせると億を超えたといいます。 将来を見据えてマンションをキャッシュで買い、それでもなお十分すぎる貯蓄があったといいます。 ――そんな貯蓄もほとんど残っていないけどね ――(んっ、老後も余裕だったはずなのに) 定年で現役を引退したはずなのに、その10年後、なぜ日雇いバイトをしているのか。話を聞いていくと、「女の子に入れこんじゃって」とゆたかさん。 アプリを通して出会ったというのは、大学進学を目指して学費を貯めるために働いているという20代女性。会って食事をするたびに、数十万円のお小遣いをあげていたといいます。ほかにも受験に向けた特別講習代として数十万円、さらには学費として数百万円、大学近くに家を借り新生活を始めるために数百万円と渡していき、気づいたら、数千万円を出費。 ――(交際は)順調だと思っていたんだけど、急に連絡が取れなくなってね、お別れしたのさ ――ほんと、ぶざまだよな とゆたかさんは寂しそうに語りますが、 ――話を聞く限り、付き合ってない。失恋ではなく詐欺だと思う(いわないけど) ――仕事一筋だったから、女性と付き合ったことはほとんどないというし 結局、万が一のときのための貯蓄・5,000万円ほどをほとんど失ったという、ゆたかさん。年金が月20万円ほどあり、毎日、暮らしていくには十分だといいますが、「何かあったときに対応できない」と、10年ぶりに働くことを決意。ちまたで話題になっているアプリを活用して、まずは日雇いバイトに挑戦してみたという顛末でした。 警察庁『令和6年6月末におけるSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について』によると、2024年上半期、詐欺の認知件数は5,068件。被害総額は約660.2億円で、昨年より500億円以上増加しています。SNS型ロマンス詐欺に限ると、認知件数1,498件、被害総額153.9億円。被害者350人のうち、65.7%が男性で、その4割弱が60代以上です。あくまでもSNS型ロマンス詐欺に限ったものなので、恋愛絡みの詐欺事件、さらに認知されていないものも含めると、相当数にのぼると考えられます。 また法務省『令和5年版犯罪白書』によると、詐欺の認知件数は3万7,928件。近年、高齢者をターゲットとした特殊詐欺による被害が増加しているといいます。 勝ち組が一転、思わぬ事態で転落することもゼロではありません。詐欺にしてもほとんどの被害者は「まさか自分が被害にあうなんて思ってもいなかった」と語っています。特に定年とともに現役を引退した勝ち組は、確実にお金のある絶好のターゲット。「自分は大丈夫」と過信せず、自分事として注意を払うことが重要です。 [参考資料] 内閣府『生活設計と年金に関する世論調査(令和5年11月調査)』 内閣府『勤労者の老後の生活設計に関する世論調査(昭和56年8月調査)』 警察庁『令和6年6月末におけるSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について』
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