英国人記者が断言「日本代表の質はアジアで圧倒的。ケイト・ナカムラ…サブもだ」ただ“ライバル弱体化”は「日本の有益にならない」と懸念
なぜ近年のオーストラリアは“サッカー人材難”なのか
かつてはオーストラリアからも、ハリー・キューウェルやマーク・ビドゥカ、ティム・ケーヒルといった一線級が生み出されていた。しかしここ10年以上、彼らと同等のタレントは出てこなくなっている。 その理由として考えられるのは、同国におけるフットボールの捉えられ方にある。ラグビーユニオン、ラグビーリーグ、オーストラリアンフットボールといった競技が盛んなオーストラリアでは、多くの少年たちがそれらを選択するため、サッカーは人材難に陥っている。 それから、これはアメリカなどにも言えることだが、強欲なユースアカデミーやユースクラブが法外なレッスン料を取るため、恵まれない家庭の子は才能があってもプレーを続けられない状況にある。またAリーグの試合数が少なく、若手の出番が限られてしまっている。 昨年、アーノルド前代表監督は言った。 「Aリーグはもっと多くの試合を組むべきだ。シーズンに25試合では十分ではない。次のレベルへ進むべき若者は多いが、成長するためには試合に出る必要がある。もしあなたがゴルファーで、ハンディキャップを少なくしたければ、何をする? もっと試合に出るよね。その点ではフットボールも同じだ。もちろんチームスポーツではあるが、個人能力が極めて重要であることも事実だ。だからリーグ戦の数を増やし、若者たちの夢の成就を後押しする必要がある」
マンチーニ監督もお手上げ…サウジには別の問題が
サウジアラビアはまた別の問題を抱えている。 同国のリーグは域内随一の豪華な選手たちを揃えているが、それによって逆に代表チームは弱体化しているように見える。最終予選の初戦ではホームでインドネシアと引き分け、次の敵地での中国戦は2-1の辛勝に終わり、今月10日にはホームで日本に史上初の敗北を喫した。 サウジアラビア代表を統率するロベルト・マンチーニ監督は、同国リーグに集まる外国籍選手の影響について、次のように嘆いている。 「サウジアラビア代表の選手たちは、クラブでも主力として扱われるべきだ。実際は、20人にも及ぶ代表選手たちが、所属先でベンチを温めている。私たちは限定された出場機会という問題を抱えており、最近の代表戦の結果に現れてしまっている」 不甲斐ないパフォーマンスは続き、直近のバーレーン戦では主将のサレム・アルドサリがPKを決められなかったこともあり、スコアレスドローに終わった。これで2試合連続の無得点となり、攻撃陣の低迷は目を覆うばかりだ。国内のクラブの多くが、欧州でトップキャリアを築いたアタッカーを何人も抱えていることと、無関係ではあるまい。
ライバルの弱体化は日本にとっても有益にならない
グループCでは、勝ち点10で首位を走る日本を、5ポイント差でオーストラリアとサウジアラビア、バーレーンが追う。また今回からアジアに振り分けられた本大会出場枠は8.5となったため、おそらくオーストラリアとサウジアラビアは出場権を手にするだろう。それでも長い目で見れば、ライバルの弱体化は日本にとっても有益にはならない。 こうした状況下で、日本は今まで以上にスムーズに北中米への切符を掴むに違いない。もっとも、それは始まる前から誰もが予想したことではあったけれども。 〈日本代表特集:つづく〉
(「サッカー日本代表PRESS」マイケル・チャーチ = 文)
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