益次郎の功績 後世へ 生誕200年を記念し鋳銭司の大村神社で式典【山口】
山口市鋳銭司出身の幕末期の政治家、軍人で、維新の十傑として知られる大村益次郎(1825~69年)の生誕200年を記念した式典が21日、鋳銭司の大村神社(松村卓正宮司)で開かれた。関係者100人が参列して記念碑の除幕式などが行われ、地元出身の偉人をしのび、後世に功績を伝えていくことを誓い合った。同神社生誕200年祭奉賛会(徳永輝男会長)主催。 同奉賛会は2年前に立ち上がり、益次郎の生誕200年に向け、石碑の建立、社殿の修復、境内の整備、同神社新聞の冊子化などの事業を進めてきた。 式典に先立ち、境内に建立された記念碑の除幕式が行われた。記念碑は高さ2㍍、幅1・1㍍、厚さ0・6㍍で、文字は地元の徳永勝治さんが揮ごうした。大村家6代目当主の大村和敏さん(84)=東京都調布市=、松村宮司、伊藤和貴山口市長の3人が引き綱を引っぱり、石碑がお目見えすると、参列者からは拍手が湧き起こった。 大村さんは「益次郎はいわゆる愛されキャラではなかったが、このように地元の皆さんに温かく支えられていることに感じ入っている。立派な石碑を造っていただき感謝している」と謝辞。伊藤市長は「維新の十傑として知られる大村益次郎の功績、足跡を市民共有の財産として発信していく。地域の皆さんは、後世へしっかりと引き継いでいってほしい」と述べた。 社殿で行われた記念祭後には、地域に伝わる「道の上腰輪踊り」「鷹ノ子代神楽」も奉納され、地域を挙げて祝った。 益次郎は鋳銭司村の村医の長男として生まれた。戊辰戦争では作戦司令官として勝利の立役者となり、日本陸軍の創始者とされる。