「心優しい方」長崎・南島原市の中学生4人がローマ教皇との謁見を報告
天正遣欧使節を再現する長崎県南島原市の海外派遣事業に参加した中学生4人が松本政博市長に現地での活動を報告した。バチカン・サンピエトロ広場でローマ教皇フランシスコに謁見(えっけん)した4人は「心優しい方だった。現地の人々と国を超えて友情を育めた」と述べた。 【写真】バチカンでローマ教皇フランシスコと握手するかみしも姿の中学生ら 4人は門畑華月さん(14)=布津中3年、瀬川美空さん(14)=西有家中2年、溝田悠乃さん(15)=北有馬中3年、植松尚子さん(15)=南有馬中3年。 16世紀、南島原市にはイエズス会の中等教育施設「セミナリヨ」が置かれ、そこで学んだ少年4人は天正遣欧使節としてローマへ送られた。市は遣欧使節にちなみ、2012年から中学生の派遣事業を続けている。 コロナ禍を挟み5年ぶりの実施となり、10月17日から10日間の日程で訪欧。遣欧使節を引率したバリニャーノ神父の故郷であるイタリア・キエーティ市でホームステイし、現地の中学校や高校で交流した。空手の演武を披露したという溝田さんは、10月31日の帰国報告で「イタリアの練習を間近に見て、貴重な経験ができた」と振り返った。 ローマでは、かみしも姿で教皇に対面した。瀬川さんは「遣欧使節と同じように私たちも教皇に謁見(えっけん)できたことは光栄」。植松さんも「教皇に握手をしていただいたことは忘れられません」と語った。門畑さんは「もっと英語やイタリア語を学びたい。視野が広がりました」と報告した。 松本市長は「訪欧は皆さんの成長の糧になるでしょう」とねぎらった。 (本山友彦)