鈴木亮平「自分の器より大きい役を演じることで成長」
自分よりも大きい器の役を演じることで成長させてもらえる
ロケ地は映画の北海道から、大河ドラマの鹿児島へ。等身大の役柄、柳を演じたかと思うと、江戸から明治へ、歴史が大きく動き始める時代のリーダー、西郷隆盛に日々、挑み続けている。西郷を演じることを、さらに難しくしているのが、その場面ごとに求められる薩摩の言葉だ。 「いまはちょっと江戸に慣れてきた薩摩言葉にして欲しいと言われています。言葉には自信があったんですが、金曜日撮り終わったら、土曜日の朝からセリフを覚え始めて。ものすごい日々が続いています」
誰もが知っている歴史上の人物を演じるのは、重圧もあるが挑みがいもある。 「薩摩藩のリーダーなので、人としての器を大きくせざるを得ない立場にいます。演じさせていただいて非常に面白いです。自分の器以上の役をやるので、自分の器を無理やり広げないと演じられない。そのうちにちょっとずつ広がってくる気がするんです、自分の器が。役に成長させていただいているんだと思います。そうすると、次にほかの役をやるとき、もうちょっと役の器を広げられる。大きい器の人間を演じるのは難しいですが、やりがいがあります」 いまは撮影の真っ最中。まだ冷静に自分がどう変わっているのかは、把握できていないと言う。 「すごい経験をさせていただいているな、と思います」 (取材・文・撮影:志和浩司) 映画『羊と鋼の森』6月8日(金)ロードショー