中日・小笠原慎之介のポスティング米移籍容認 加藤球団本部長「本人の気持ち踏まえこの時期が適切かなと判断」
中日の小笠原慎之介投手(27)のポスティングシステム(入札制度)による今オフの大リーグ挑戦が22日、決まった。秋季練習が行われているナゴヤ球場で加藤宏幸球団本部長から容認を伝えられた。同システムを使って大リーグ球団への移籍が決まれば、中日からは2003年オフの大塚晶則(現晶文・投手コーチ)以来、2人目となる。 ◆ポスティングでアメリカへ渡った日本人投手一覧【図表】 夢へ向けた一つ目の扉が開かれた。これまで米球界挑戦の希望を中日側へ伝え続けてきた小笠原の熱い思いが通じた。来月1日のポスティング申請期間開始を前に、球団から容認を伝えられた。 「球団と複数回話し合いをしてきて、ゴーサインをいただきました。井上新監督にも理解していただきました。今後、どうなるかは不確実なことも多いですが、チャレンジします」。ナゴヤ球場でコメントを出した。 幼少期からNPBよりMLBに親しんだ。産声を上げた1997年には既に野茂英雄投手がドジャースで投げていた。物心ついたころはイチロー外野手がマリナーズで、松井秀喜外野手がヤンキースで、ともに日本国内を沸かせていた。 「横浜ベイスターズも身近でしたが、メジャーで日本人が活躍するのをテレビで見て『ここでやりたい』と感じていました」。神奈川県藤沢市生まれで東海大相模高で夏の甲子園優勝投手になり、注目を浴びた。NPBを経由せずに直接、米挑戦の希望を抱いた時期もあった。 申請をすれば、NPBを通じてメジャー30球団へ交渉ができる旨の連絡が入る。その後の交渉で条件が折り合えば移籍となる。 申請から契約までの期間は45日間。MLBでは大物FA選手から交渉が始まり、12月に入ってウインターミーティングが開かれる。移籍市場の動向を見ながら、12月中旬の申請を模索するとみられ、越年は覚悟の上だ。 加藤球団本部長は「2年ぐらい前からもうずっと、(米挑戦への)気持ちは聞いている。それも踏まえてこの時期が適切ではあるのかなっていう判断はしました」と語った。在籍9シーズン、直近4年連続で規定投球回に到達。今季はチームで唯一、シーズンを通してローテーションの一角として回った。 小笠原は既に米大手エンターテインメント会社「WME(ウィリアム・モリス・エンデバー)」と代理人契約を結んでいる。球団も24日に控えたドラフト会議で同じ左腕の関大・金丸夢斗を1位指名候補としてリストアップしている。
中日スポーツ