太陽系の外で初めて地球サイズの岩石惑星を発見
■地球に似たサイズの岩でできた惑星を発見 太陽系以外に地球のような星があるのでしょうか? 天文学者らが必死になって惑星を探しています。地球以外に生物が住む星が見つかるかもしれないからです。2013年10月までに約1000個の惑星が見つかっていて、今回、地球と同じサイズでしかも岩でできた惑星が見つかりました。「ケプラー78b」と言います。何がすごいのでしょうか? 夜空を見上げると無数の星が見えますね。これらの星は、太陽と同じように自分で光を発する星です。これを恒星と言います。地球は太陽を周っています。恒星を周る星を惑星と言います。 太陽のような恒星は夜空に光るので見つけやすいのですが、地球のように光らない惑星は見つけにくいのです。珍しい出来ごとですから、惑星を見つけるとニュースになるのです。 どうやって見つけるのでしょうか? 日食を想像してください。光る太陽を月(月は衛星ですが)が遮ると太陽は暗くなりますね。遠い星から太陽系を見ると、地球が太陽を遮っている瞬間があるはずです。ということは「恒星を周る惑星があるに違いない」と判断できるのです。こうやって、惑星を見つける方法を「トランジット法」と言います。 こうした方法で「ケプラー78b」を発見したのが、惑星を探すために打ち上げられたNASAの探査衛星「ケプラー」でした。 ■「はくちょう座」方向に地球サイズの惑星を発見 「ケプラー78b」はどこにあるのでしょうか? 日本では、秋の夜に北から南に「はくちょう座」が見えます。そちらの方向400光年にある太陽より少し小さいサイズの恒星を周っていました。1光年は、光の速さで1年かかる距離です(ちなみに地球に一番近い恒星は約4光年離れた場所にあります)。 アメリカとスイスの研究チームが「ケプラー78b」をさらに調べてみると、地球の大きさの1.2倍、重さ1.7倍であることが判明しました。大きさと重さの比率が地球と同じということは、「ケプラー78b」は木星や土星のようにガスでできた軽い惑星ではなく、地球のように岩や鉄でできた星だという推測ができたのです。昨年 10月には、ドップラー法と呼ばれる方法でケンタウルス座に惑星が発見されましたが、この方法では、惑星の質量の下限しか分かりませんでした。今回は「質量が求められた」初めての惑星の発見となります。 ■地球外生命の発見はいかに? ひょっとして生命が見つかるかも? しかし、残念ながらそうではないようです。 調査の結果、「ケプラー78b」は恒星のまわりを8.5時間で周っていることが分かっています。地球は太陽を365日かけて周っていますよね。太陽に一番近い水星でも88日の速さです。惑星は、恒星に近ければ近いほど、速いスピードで周ります。8.5時間という速さは超スピードで、超近い。だから、きっと「ケプラー78b」は灼熱地獄のような環境だと考えられているのです。 (参考:AstroArts)