【蛯名正義コラム】ジョッキーの不祥事に思うこと 「いま一度、気を締め直してほしい」
【蛯名正義コラム】 東スポ読者の皆さま、1か月のご無沙汰でした。調教師の蛯名です。 いや~本格的に夏競馬が始まりましたね。2歳新馬戦や函館、福島、小倉のローカル開催。トレセンの調教時間も朝5時スタートとなり、気温もどんどん上がってきました。 こんな時季に気をつけなければならないのは馬の体調管理。水分補給はもちろん、人間と同じで電解質を摂取させたりして、熱中症にならないように努めています。もちろんミストを使うなど、厩舎の温度が上がらないようにするのも大切ですね。 あとは夏場は馬の入れ替えの時期でもあります。残り2か月ほどで3歳未勝利戦も終了。1頭でも多く勝ち上がらせたいのと同時に、2歳馬もゲート試験やレースのために次々と入厩してきます。馬の体調管理だけでなく、采配面でもいろいろと頭を悩ませる日々…。来週からは続々と大きなセリも始まりますし、本当に体がいくつあっても足りません(苦笑)。
疲れが吹き飛ぶ管理馬の勝利
そんな中でも管理馬が勝利を挙げてくれると、疲れが吹き飛ぶんですよね。先週土曜の福島ではレボルシオンが初勝利を飾ってくれましたし、今週火曜(2日)には川崎の交流戦でピエフォールが勝ってくれました。 わけてもレボルシオンの手綱を取ったのは木幡育也騎手。彼には藤沢和厩舎からの流れでずっと調教を手伝ってもらっていたから今回、一緒に勝つことができて本当にうれしかったです。 厩舎を手伝ってくれているといえば、今週は野中悠太郎騎手に土曜福島でホウオウムサシ、日曜函館でインスタキング、大江原比呂騎手には日曜福島でサトノジールに乗ってもらいます。いずれもチャンスがある馬たちだと思っているので、先週と同様の喜びを味わうことができたらと思っています。 一方でジョッキーの世界では最近、残念な話題が相次いでいます。粗暴な行為や、調整ルームでのスマホ使用…。具体的にどうこうは言いたくないですが、本当に情けない。意識が低過ぎると思います。日本の競馬はファンがあってこそ。震災やコロナ禍などがありながらも支えてくださっているファンの皆さんの信頼を裏切るような行為は本当に慎んでほしい。ただでさえコンプライアンスなど、公人に対しては厳しい世の中です。いま一度、気を締め直してほしい。襟を正してほしいと思います。
藤井 真俊