「漢方治療」の特徴はご存じですか? 婦人科の疾患に対する効果も医師が解説
更年期障害や生理不順などの婦人科系の疾患で、漢方治療を受けている人も多いと思います。一体なぜ、漢方治療が婦人科領域で広くおこなわれているのでしょうか。漢方薬の効果や特徴について、「玄和堂診療所」の寺師先生に解説していただきました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
漢方治療の特徴とは
編集部: 漢方治療には、どのような特徴があるのですか? 寺師先生: 漢方は心と体を一体として捉え、体全体のバランスを整えることで、本来、人が持っている自然治癒力を高めます。西洋医学の場合、まず病名をつけ、それによって使用する薬を決めるというプロセスを踏みます。一方、漢方治療の場合、診察して、その人の症状や体質などを見極めて処方薬を決定します。つまり、漢方治療は病名がつかなくても処方できるので、その点で大きく西洋医学と異なります。 編集部: 漢方薬は病名がつかなくても処方できるのですね。 寺師先生: はい。漢方治療は個人の体質を適切に把握するとともに、様々な診断方法を駆使して、症状を多角的に理解します。そのため、「原因が特定できない疾患」「病名がつかないもの」「不定愁訴と言われるもの」「病気ではないけれど、なんとなく不調を感じている」といった、未病の状態にも対処できるのです。 編集部: ほかには、どのような特徴がありますか? 寺師先生: 漢方薬は自然界から得た生薬を組み合わせて作ります。そのため、複数の症状に対して効果が期待できます。例えば、有名な漢方薬に「葛根湯」がありますが、風邪、肩こり、ものもらい、ヘルペスなどに効き目があります。このように、1つの薬で様々な症状に効果が期待できる点も漢方治療の特徴です。 編集部: 漢方薬による治療は保険適用でしょうか? 寺師先生: はい。一部の生薬を除いて、漢方薬による治療は保険が適用されます。ただし、病気を予防したり、美容目的のために使用したかったりする場合は保険適用外となります。