川崎フロンターレの復活はあるのか?「ボールを握る」伝統を受け継ぐために必要なこと
不振が叫ばれているが、絶対的な強さを誇った時代を継承するのは簡単ではない。当時からは三笘薫、守田英正、田中碧、旗手怜央、谷口彰悟、山根視来という日本代表選手たちが次々に旅立っている。エースの中村憲剛が引退し、レアンドロ・ダミアンは退団。小林悠、家長、ソンリョンもベテランの域に入った。本来、チームを刷新するほどのテコ入れが必要なのだ。 しかし、ボールを握ってアドバンテージを作る伝統を受け継ぐには、現在の選手で勝利を重ねるしかない。 6月16日のJ1第18節は、国立競技場でのJリーグ王者ヴィッセル神戸との一戦となる。まもなくシーズンの折り返しで、ひとつの山場だ。 「敵陣でボールを握れなければ意味がない」 そう言いきるチームの試練である。
小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki