企画展「江戸のおしゃれ装身具」/埼玉県
江戸時代の人びとが身に付けていた飾り道具を通して、当時の華やかな世界感を伝える企画展が、川越市立美術館で開かれています。 この企画展は江戸時代のおしゃれ事情と生活の一端を垣間見ようと、江戸風俗研究家の平野英夫さんがコレクションしている、かんざしや袋物などの装飾品およそ250点を展示しています。 着物で生活していた江戸時代は、身の回りの物を収納して帯に挟んだり懐に入れたりする「袋物」や、髪を飾る櫛やかんざしなどの装飾品が発展しました。 べっ甲のかんざしは、垂れ下がる鎖にいたるまでべっ甲で作られていて、装飾品に美と贅を尽くしたことが伝わります。 紙製の漆箱でできた化粧箱は、ふたに美人画のガラス絵が使われていて、中に入っているおしろいや、鏡、それに化粧刷毛など見た目の美しさを整える道具一つ一つにもこだわりを持っていたことがうかがえます。 高価な輸入素材の金唐革やべっ甲などを使い、細部の金物までこだわって作られていた装飾品からは、当時の人たちの粋な美意識を感じることができます。 この企画展は12月8日まで川越市立美術館で開かれています。