差別的仮装禁止となったメジャーの新人通過儀礼はどうなったのか?
メジャーリーグでは、毎年9月末に新人選手の「通過儀礼」として、ルーキーに仮装させるのが恒例行事となっている。新人のロッカーにはチームの先輩選手が用意した衣装があり、それを着たまま、球場内の通路から遠征先まで移動しなければならない。 昨年はドジャースの前田健太がチアリーダーの格好をした。 これまでの日本選手もメジャーのルーキーとして洗礼を受けている。ヤンキースの田中将大はヒップホップ歌手に変装。ダルビッシュ有は、女性用競泳水着。川崎宗則はレオタード姿。松井秀喜はド派手なヒョウ柄の帽子とジャケットにサングラス、などといった仮装をさせられた。 しかし、昨年12月、メジャーリーグと選手会が合意した新労使協定の「いじめ禁止」に抵触するとして、性別、人種、性的指向、国籍を強調するような差別的な仮装は禁止になった。 禁止が発表された際には、恒例の新人選手の仮装そのものがなくなるのではないかという予想もあった。選手側からも禁止の発表に戸惑いの声が上がっていた。 しかし、選手たちは規則に抵触しない範囲で工夫を凝らし、今年もこの行事を楽しんでいる。 米ヤフースポーツは、「MLBの新人のドレスアップは女性のコスチュームなしで、盛大に行われている」という見出しで報じた。 記事は「選手たちはこの禁止について議論したし、ファンもそうであった。しかし、禁止の発表から次の新人のドレスアップデーまで9カ月間あった」と述べ、 昨年12月の発表から、今年9月までに、どのようにすれば楽しめるか工夫をする時間があったことも大きかったとしている。 そして「新しい規則のなかどのようなことをしているのか、ドレスアップのテーマはどのように変わったのかを見てみよう」と、いくつかの球団の仮装の例を紹介した。 フィリーズは、ミュージカルの「グリース」から、「T-バード」というキャラクターに仮装した。ジーンズにTシャツ、黒い革のジャケット、リーゼントヘアのようなかつらをかぶって、全員で踊っている様子。これはチームのツイッターアカウントでも紹介された。