市中心部に建設、名称「たびのホテルlit酒田」 11階建て、サウナと大浴場も
酒田市中心部のパイレーツビル跡地に建設を計画しているホテルについて、サンフロンティアホテルマネジメント(東京都)は5日、2026年12月に開業し、名称は「たびのホテルlit(リット)酒田」となることを明らかにした。資材高騰などで開業時期は当初より1年3カ月遅れるが、洋上風力発電の事業化に向けたビジネス需要や、観光利用などで年間80%以上の稼働率を目指す。 ホテルの開発と運営を手がける同社の堀口智顕社長が同日、市内の酒田産業会館で矢口明子市長や酒田商工会議所の加藤聡会頭と記者会見を開き、説明した。当初は10階建ての予定だったが、11階建てとし、最上階にはサウナや露天風呂を備えた大浴場とすることを新たに示した。堀口社長は「大浴場からは鳥海山や月山、日本海が望めるようにする」と話した。ビジネス客だけでなく、インバウンド(訪日客)も含めた観光にも十分対応できるアッパーミドルクラスである点は変わらない。
遊佐沖での洋上風力発電の事業化に向けた動きが進み、庄内地域では施設建設、維持管理などに関連する宿泊、滞在やインバウンド(訪日客)などで、ホテル需要増が見込まれる。建設地は酒田市中心部の中町3丁目で、矢口市長は「中心市街地の活性化の起爆剤になる」と期待を語った。加藤会頭は「ビジネス客を中心に、現在もホテルは不足している。かなり稼働率が高いホテルになると思う」との認識を示した。 同社によると、敷地面積は約2500平方メートルで、客室は173室。敷地内に72台分の駐車場を整備する。当初は今年1月着工、25年9月開業を目指していたが、資材価格や人件費の高騰などで建設業者との調整が難航。来年4月に着工する。総事業費は非公表。堀口社長は「既存の需要や洋上風力関連に加え、観光でも新しく需要をつくりたい」と述べ、開業3年程度で年間稼働率85%以上を目指すと目標を示した。60人程度の地元からの雇用も予定している。同社は同様に洋上風力発電や新エネルギー関連の需要を見込み、秋田市や青森県六ケ所村でもホテル建設の計画を進めている。