存続求め、町も協力する 三重・多気町のシャープ三重工場など液晶事業縮小で
取材に久保町長が明かす
大手電機機器メーカー「シャープ」(堺市)が、テレビ向けなどの液晶パネルや半導体を含むデバイス事業を大幅に縮小し、三重県多気郡多気町五佐奈のシャープディスプレイテクノロジー㈱の三重工場も、配置転換などの人員適正化により固定費の削減につなげていく方針を発表したことに関して、同町の久保行央町長が17日、本紙取材に事業存続を求めていることを明らかにした。 三重工場は、1995(平成7)年に操業開始。敷地面積は34万4千平方メートルで、ディスプレーパネルの開発や製造を行っている。県内のもう一つの工場、亀山工場も削減対象になっている。 これを受け、シャープの誘致に尽力した久保町長は「正直、ショック」と心境を語り、「工場を拠点に工業団地やクリスタルタウン、ホテルができ、地域の環境活動や国際交流など、計り知れない効果を生み出してくれた。規模は縮小してもなんとか存続できないか、町としても協力させてもらいたいと、同社に打診をしている」と話した。 一見勝之知事も「県としては雇用や県内企業への影響を第一に考慮いただきたい旨を伝え、今後調整を行っていきたい」とコメント。その上で「両工場では、他社との協業や成長分野への投資も検討していると聞く。新たな挑戦が雇用機会の創出や産業の高度化に寄与することを期待する。県としても誘致に向けてできる限りの支援したい」とした。