大型補強でチームを変えた…史上最高のFA投手(3)3度目のタイトル戴冠
プロ野球の世界では、環境を変えることでさらなる高みを目指す選手がいる。その代表例がフリーエージェント(FA)移籍だ。しかし、過去を振り返ってみると、移籍後に期待通りの働きを見せた選手はそう多くない。ここでは、新天地でも成功を収めたFA戦士を紹介する。【投手編】
涌井秀章
投打:右投右打 身長/体重:185センチ/85キロ 生年月日:1986年6月21日 経歴:横浜高 ドラフト:2004年ドラフト1巡目 涌井は、横浜高から2004年ドラフト1巡目で西武に入団すると、高卒1年目から開幕ローテーション入り。大器の片鱗を示すと、プロ3年目の2007年には17勝、防御率2.79をマークし、最多勝を獲得した。さらに2009年は27試合(211回2/3)を投げ、16勝、11完投4完封、199奪三振、防御率2.30と傑出した数字を並べ、最多勝と沢村賞などに輝いた。 その後、2013年オフにフリーエージェント(FA)権を行使しロッテ入り。千葉県松戸市出身の涌井にとっては、地元球団への移籍となった。ロッテでも在籍2年目の2015年に自身3度目となる最多勝(15勝)を戴冠。翌2016年も2桁10勝をマークした。 しかし、その後は不甲斐ないシーズンが続いた。すると、2019年オフに金銭トレードで楽天へ電撃移籍。新天地では息を吹き返し、移籍初年度から11勝を挙げてNPB史上初となる3球団での最多勝受賞を成し遂げた。 2023年からはトレード移籍によって中日ドラゴンズでプレー。打線の援護なく負けが大きく先行したが、ベテランらしい投球を披露した。
ベースボールチャンネル編集部