TARAKOさんお別れ会、ちびまる子ファミリー集結「なんでそんな早く逝ったのか。順番が違うだろ。後半へ続く」
3月4日に死去したフジテレビ系アニメ「ちびまる子ちゃん」(日曜・後6時)の主人公・まる子の声優を34年間務めた声優で、シンガー・ソングライターのTARAKO(享年63)さんのお別れ会「TARAちゃんありがとうの会~たいせつなきみへ~」が15日、東京・TFTホールで催された。同番組の声優陣や、エンディングテーマ曲に参加したお笑いコンビ「爆笑問題」ら約800人が参列した。 【写真】お別れの会に飾られたまる子との等身大パネル お別れ会の終盤。TARAKOさんが声優を務めた「まる子」や「まじかる☆タルるートくん」のパネルが掲出された祭壇の前に、“ちびまる子ファミリー”が集結した。 父・ひろし役の屋良有作、祖父・友蔵役の島田敏が手拍子を始めると、おなじみのメロディーが流れ始めた。「おどるポンポコリン」。初代エンディングテーマ曲で、現在はオープニング主題歌。「いつだってわすれない」。会場中が手をたたき、声を重ねた。姉・さきこ役の豊嶋真千子、祖母・こたけ役の佐々木優子は目を真っ赤に、何度も涙を拭った。会場中が歌い、泣き、笑った。 “ファミリー”は役柄の声色で「まる子」に思いを伝えた。友蔵役の島田は「TARAちゃんや。本当に、本当にお疲れ様でした」と言い、ひろし役の屋良は「おーい、まる子。TARAちゃん、たくさん、たくさんありがとうな。また会いたいな」と宙を見上げた。おばあちゃん役の佐々木は「まる子や。私もね、もうすぐそっちに行くからね、また飲もうね。あ、まる子は飲んじゃダメか。またね」とほほ笑んだ。姉役の豊嶋は「まる子、大好きだよ」と短い言葉を紡ぐのが精いっぱいだった。 “ちびまる子ファミリー”や山寺宏一らこの日参列した関係者は、TARAKOさんの印象を「気を使いすぎるぐらいに気を使う方だった」と口をそろえた。島田は「座長として心配りができる方。場を和やかにしてくれた」と言い、2016年6月から2代目のさきこ役を務める豊嶋は「2代目でドキドキしながらやっていたんですけど、TARAちゃんの温かな雰囲気に包まれて。ノビノビとできた。姉妹として過ごす時間は、本当にかけがえのない時間だったなって」と涙した。この日のお別れ会も「喪服ではなく、普段会う時の服。自由な服装でお越し下さい」と呼びかけられた。生前のTARAKOさんの希望で、最期まで周りに気を配っていた。 祭壇のTARAKOさんの笑顔を見つめながら、初代ナレーターのキートン山田は言った。「最後に、メールでやり取りしたのは去年の12月。文章が短くて、いつも絵文字がいっぱいなのに、1つもなくて。ハートマークもなくて。異変を感じました。でも、何かあったかと聞く勇気がなかった」。唇をかみ締めた後、声色を変えた。“あの声”を張り上げた。「なんで、そんな早く逝ったのか。順番が違うだろ。友蔵が先である。後半へ続く。じゃあね」。(田中 雄己) ◇TARAKO(タラコ、本名非公開)1960年12月17日、群馬県出身。81年、アニメ「うる星やつら」で声優デビューし「めぞん一刻」などにも出演。83年「とっておきの瞬間」でレコードデビュー。「ちびまる子ちゃん」のほか、出演作に「まじかる☆タルるートくん」「みかん絵日記」など。趣味は詩作、空を見ること。
報知新聞社