男性シンボル「神棒」持った天狗が5年ぶり登場へ 福井県美浜町で9月1日に八朔祭…「見物大歓迎」
子孫繁栄や五穀豊穣を願う福井県美浜町新庄の奇祭「八朔祭(はっさくまつり)」が9月1日、区内で営まれる。2020~22年は新型コロナウイルス感染拡大、昨年は人口減少や高齢化に伴い神事のみとなっていたが、今年は樽神輿(たるみこし)を担ぐ住民の制限をなくすなど決まりを変更し開催する。男性のシンボルを模した神棒を持った天狗が5年ぶりに登場する。 【写真】神棒を持ち見物客の女性を追い回す天狗 同祭は数百年前から伝わる伝統行事。区内で東西に分かれ、東字(ひがしあざ)は午前中に行列をなして笛と太鼓ではやしを奏でながら日吉神社に向かって歩き、樽を奉納する。西字(にしあざ)は午後に八朔音頭を歌いながら樽神輿を担いで練り歩き、同じく日吉神社で樽を奉納する。東西とも露払い役として長さ約50センチの神棒を持った天狗が登場。つつかれた女性は子宝に恵まれるとされる。 樽神輿を担ぐ人員を確保できないため神事のみとなった昨年以降、西字が中心となって伝統継承に向け、祭りの実施方法を検討してきた。西字では、年ごとに変わる当番の家の住民だけが参加していたが、今回からは他の住民も加われるようにし、若い世代に声をかけた。また、東字からも参加できることとした。 これまでは9月1日に行う決まりだったが、平日だと参加できる人や観客が少なくなるため、今回からは9月の第1日曜に実施する。鳥羽学区長(65)は「区外からの見物も大歓迎。改革によって祭りがにぎやかに続いていけば」と期待を込めた。 当日は、東字は午前10時半ごろに田代公会堂を天狗とともに出発し、日吉神社に午前11時ごろに到着する。西字は午後0時20分ごろから練り歩き始め、天狗が登場するのは午後2時半ごろ。
福井新聞社