性被害にあった子供や男性の服も “服装”に着目した展示がスタート 携わった学生の気付きとは
■兄から被害を受けた被害者の声「誰でも被害者になることを知ってほしい」
さらに田中教授が印象的だったと語るのが、肉親から受けた被害です。 7~8歳の時、兄から被害を受けたという20代(性別非公開) 「3歳上の兄に、おもちゃの手錠で遊ぼうと言われた。両親が夜に出かけると、裸にされ、赤いバンダナで目を塞がれ、手錠を両手や両足につけられた」 中学1年生の時、兄から被害を受けたという50代女性 「2歳離れた兄からでした。家族にも相談しました。しかし、加害者が実兄であることが誰にも信じてもらえず、家が安全なところではなくなりました。誰でも被害者になることを知ってほしいです」 警察庁の調査によると、性犯罪・性暴力の被害者のうち、約2割が親、その他家族・親族からの被害だといいます。田中教授は「自分だけじゃないんだとか、私は悪くなかったってことを感じてほしいですし、あなたが着てたものが理由だっていうような、服のせいにしないってことは当然ですし、やはり被害を受けた人に、あなたは悪くないということは一番伝えたいことです」と語りました。
■携わった学生の気付き…被害にあった後も「ずっと続いていく問題なんだな」
さらに、展示に携わった田中教授のゼミ生は「性被害ってのは女性だけに起こることではなくて、特に若い女性とかに限られた問題ではなくて、どのセクシュアリティー、どの年代の方でも起こる問題だということがまず気付きだった。性被害にあった時の体験ももちろんつらいけど、それと同時に、そのあとに相談した友達とか、(性被害を支援している)センターの方々とかのお話の中でも、また心に傷を負ってしまうということが(展示の)キャプションを読むとよくわかるので、性被害っていうのは起きた時だけが事件なんじゃなくて、その後もずっと続いていく問題なんだなと気付かされます」と語りました。 上智大学での展示は、12月8日まで行われる予定です。