K-1&RISEトップが考える「挑発や乱闘の必要性」石井館長は朝倉未来の手腕を称賛「新しいシステム作った」
今月17日に開催の『RISE ELDORADO 2024』(東京体育館)と同20日の『K-1 WORLD MAX』(国立代々木競技場第一体育館)で、「K-1vs.RISE対抗戦」が行われるのを目前に控えた6日、RISEの伊藤隆代表、K-1のカルロス菊田プロデューサー、K-1グループのKrushの宮田充プロデューサー、そしてK-1創始者であり初代プロデューサーで先月から「アドバイザー」と復帰した石井和義館長が、格闘技メディアとの意見交換のためのランチミーティングを都内で開催した。 【動画】石井館長、格闘技会見に“乱闘”は必要か議論「朝倉未来さんは新しいシステムを作った」BreakingDown・RIZINとK-1の違いについても言及 さまざまなテーマが語られるなかで、特に白熱したのが「格闘技における挑発や乱闘の必要性」。朝倉未来が代表を務める『BreakingDown』が人気を集めるように、会見や試合前の挑発合戦や乱闘はアクセスを集め、格闘技ファン以外にも波及している。一方で、煽りのスキルだけで注目されても試合内容のレベルが低い試合もあり、世間的な格闘技のイメージ悪くしている側面から、コアな格闘技ファンからは不興を買っており、RIZINフライ級チャンピオンの堀口恭司も「ハッキリ言って好きではない」と明言している。 石井館長は「結局両方いるんですよ。スポーツとしてのいわゆるキックボクシの部分と、そしてプロの選手としてのいわゆる 発信力のすごさ。必ず2ついるんです」と持論を展開。格闘技で最初に強い発信力を持った選手としてプロボクサーの故モハメド・アリを挙げ「あんなファイターはそれまでいなかった。BreakingDownは選手みんながアリを演じているんです。試合のレベルは高くなくても、それを盛り上げるのがすごく上手なんです」とパフォーマンスの必要性に理解を示した。 会見での挑発合戦や乱闘シーンの動画は再生回数が多く、『THE MATCH 2022』の試合前会見でも最も再生数が多かったのはYA-MANと芦澤竜誠の乱闘だった。RISE伊藤代表は、会見やSNSでの選手の発言について「規制はないですし、発信も個性の一つなので。最低限のモラル以外は自由ですし、無理に会見で煽る必要もない。いろんなパターンはあるけど、どんどん個性を出すのがプロ」と語った。宮田Pも「K-1も同じで、選手に『こうやってみらいいんじゃないか』と個性を伸ばすアドバイスはします」とスタンスを明かした。 一方で、BreakingDownを取材するメディアからは「全員が“乱闘ありき”になっていて、むしろ乱闘が普通に見えてきている」という意見も出た。伊藤代表は「盛り上げるためには必要かもしれない」としながらも、「立ち技格闘技をボクシングのようなメジャースポーツにするには、BreakingDownみたいなことをやっていたらできないと思う」と提言した。 石井館長は「僕らは乱闘しないというなかで、世間にどのように発信していくかがこれからの課題。朝倉未来さんは新しいシステムを作った。乱闘だけじゃなく舞台裏にたくさんのカメラを入れて、控室での選手の表情とか、闘い終わってドクターにチェックされてるシーンとか、いろんな場面を映像で見せるようにした。それによってタトゥーが入った元気な子たちが控室でどんなに緊張しているのか、どれだけダメージを受けながらやっているのか、伝わるようにした」と、BreakingDown代表の朝倉未来の手腕を称賛した。