「祖父はヘビースモーカーだったけど認知症にならなかった」だからタバコを吸っても大丈夫とはまったく言えない理由【山田悠史医師】
つまり、喫煙は脳内にさまざまな「ゴミ」を蓄積させ、さらには十分な血液と酸素の供給を妨げることで脳にダメージを与え、認知症のリスクを高めます。タバコを吸うことは、脳という大切な自宅に、わざわざゴミを溜め込み、水道水の供給を止めるような行為であると捉えてもいいかもしれません。それが、自宅の機能を麻痺させるのです。 しかし、だからと言って今喫煙をしている人が「そんなことならもう気にせず吸い続けてやる」と自暴自棄になる必要はないでしょう。なぜなら、喫煙をやめることで、認知症リスクを低減できる可能性が示唆されているからです。韓国の全国規模の研究では、2年間の間に禁煙に成功した人は喫煙を続けた人と比較して、その後約6年間で見られた認知症の発症リスクが低いことが報告されています(参考文献5)。
山田 悠史