「T+1」移行、最後の大きな試練クリア-週明けのフェイル率低下
(ブルームバーグ): 米株式市場で決済日を約定日(トレードデート)の翌営業日とする「T+1」システムへの切り替えが最後の大きな試練をクリアした。先週導入されたこのシステムは、世界市場全体で取引に混乱をもたらしかねないとの懸念が多かった。
「T+1」移行、最初の関門を無事通過-フェイル率に有意な変化なし
米国証券保管振替機構(DTCC)のデータによれば、3日は2つの主要フェイル(証券決済未了)率がともに低下し、T+1導入前に5月に記録された1日平均を下回った。旧システムでは全ての取引完了に2日間を要したが、米証券取引委員会(SEC)が導入した新ルールでこの期間が半減した。
DTCCによると、取引清算処理システム(CNS)に記録された3日のフェイル率は1.71%と、5月31日の2.24%から低下。T+1移行前の5月平均は2.01%だった。CNS外で処理された取引のフェイル率も先週末の3.65%から2.72%に低下し、移行前の5月平均(3.24%)を下回った。
直近の数字は、MSCIの指数銘柄入れ替えが行われた5月31日に実施された取引のフェイル率。銘柄入れ替えに伴う取引高増加でT+1に大きな負担がかかると見込まれ、多くの市場参加者がフェイル率上昇を予想していた。
米株「T+1」ダブル決済日で警戒、MSCIが次の試練-QuickTake
原題:Trade Failures Drop as Wall Street Clears Last Major T+1 Hurdle(抜粋)
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Greg Ritchie