『少年西遊記2』ショート動画が大バズりするもゲームバランスで大失敗―次なるヒット作を探せ!日本未上陸の注目ゲームアプリ3選【2024年5月5日】
先月に紹介した釣りゲー『歡樂釣魚大師(ハッピー フィッシング マスター)』の勢いがとどまることを知りません。 【画像】キュートな美少女キャラが多数登場!放置系RPG『命運聖契』も人気。 いまだ各種プラットフォーム上にてランキング1位を独占し続けており、日本で言われるところの『スイカゲーム』ばりの大ヒットを飛ばしているようです。 どちらもSNS上で人気に火が付き、ゲーム市場におけるダークホースのような存在といった点で共通していますが、『歡樂釣魚大師』は中国のみでの配信になってるため、イマイチその盛況ぶりというものが本国SNSを確認しないと不透明なままです。しかもあちらは日本と異なり、自国産のSNSが独自に普及しているので、トレンドが鎖国されているような感覚を覚えます。 ここまで首位を独占するアプリもかなり珍しいので、とても気になっているのですが、果たしてこれからどうなるのでしょうか。さて今週は先週とは違って、キッチリ日本未上陸のタイトルを3選ピックアップしてきました。 ※本稿では、システム上の関係で簡体字/繁体字で表記すべき部分も異体字に置換している場合があります。 ◆『命運聖契』 TapTapにて事前登録数が急激に伸びているタイトルが『命運聖契』。本作は公式Weiboの投稿によると、中国のスマートフォンメーカーであるvivo、OPPOの開発者向けカンファレンスで「期待のタイトル」としてノミネートされた作品です。 なぜかスマートフォンメーカー2社から期待されている本作なのですが、3月20日にベータテストが開催されて以来、少しずつプレイヤーの事前登録者を集めてきました。 公式からゲームプレイ映像などのPVが出ているわけではありませんが、bilibiliで調べてみたところ、3Dグラフィックで美少女キャラクターたちを描く放置系RPGとなっています。放置系RPGは世界中でなんだかんだと遊ばれ続けている人気カジュアルゲームジャンルの1つですが、その人気は中国でもやはり根強い様子です。 作中の物語は縦読み漫画で知られる「Webtoon(ウェブトゥーン)」でコミカルに表現。ベータテストを遊んだプレイヤーたちからは概ね好評で、”キャラクターの可愛さ”と”3Dモデリング”といったビジュアル部分が評価されていました。こちらは続報に期待しています。 ◆『少年西遊記2』 4月30日にYOOZOO Gamesが配信した『少年西遊記2』が、各プラットフォームにてランキング上位を獲得しました。タイトルに「2」と記載されているように、本作は前作『少年西遊記』の続編です。 「西遊記」といえば、日本でも人気の高い中国古典の1つですが、本国では度々ゲームの題材にもされています。今年の8月にはPC&コンソール向けに「西遊記」の本格美麗アクション『黒神話:悟空』の発売も決まっています。 そんな『少年西遊記2』は、『王者栄耀』『和平精英(元PUBGモバイル)』『マインクラフト』といった、既存の大人気作品たちが数多くランキング上位を維持し続けている中でも、初動から粘り強く奮闘する珍しい事態になっています。そこでbilibiliの公式アカウントで動画の再生数を調べてみたところ、ゲームのPVよりも実写PVの再生数だけが異様に多いことが分かりました。 これらの実写PVは本国の人気俳優・羅家英氏と車保羅氏を起用した映像なのですが、このPVがゲームの知名度を拡大する主要因になったと考えられます。今回特に反響が大きかったのは、中国版TikTok「douyin」にて、車保羅氏が自身のアカウントに投稿した本作のショート動画でした。 そのショート動画は記事執筆時点でなんと、いいね数が1,340万、コメント数は80.5万件と大バズり。動画自体は昨年の夏頃に投稿されたものですが、ゲーム配信前にこれだけ動画が話題になっていればプロモーションとしては大成功といえます。筆者としては中国のゲームが日本上陸する際、やたら人気俳優やインフルエンサーたちを猛烈プッシュしたくなる理由がなんだか見えてきた気がしました。しかし、日本ではたとえ有名人が広告塔になったからといって、ゲームのヒットにはあまり繋がりません。 なお、ダウンロード数に比べてゲームの評判そのものは賛否両論といった状態。本作は前項で紹介したようなカジュアル志向のRPGタイトルなのですが、サーバーオープン初日からゲームに多額の課金をした廃プレイヤーと一般プレイヤーの間に極端な戦力差が生まれてしまいました。そのゲームバランスの悪さが、ユーザーたちから大きな不満に繋がっているのです。 ゲームのアートビジュアルやキャラクターデザインは好評とのことですが、課金の有無だけでサービス開始初日からトップ層に追いつけないほどの差を付けられていると、やる気自体が削がれてしまう気持ちは分からないこともありません。プロモーションの成功に反して、非常にもったいない結果となってしまいました......。 ◆『山河旅探 - Murders on the Yangtze River』 2024年1月31日にSteamで配信され、「圧倒的に好評」を獲得しているインディー系アドベンチャー『山河旅探 - Murders on the Yangtze River』のスマートフォン版が登場し、現在人気沸騰中です。現時点で日本語のサポートはなく、英語字幕がサポートされています。 スマートフォン版が登場したのは4月28日になります。しかしこの3日前には拡張パックにあたるダウンロードコンテンツも配信されていたので、短いスパンに畳み掛けるようにして動きがありました。 ゲームは20世紀初頭の中国を舞台にしていて、大河・長江沿いの町で巻き起こるさまざまな事件を解決していく、推理系の謎解きアドベンチャーとなっています。 本作がカプコンの『逆転裁判』に影響を受けているのか定かではありませんが、Steamの紹介文によれば、“もし『逆転裁判』のファンなら『山河旅探 - Murders on the Yangtze River』を見逃すことはできません”と記載され、それっぽいシーンも投稿されています。 味わい深いグラフィックと、あまり触れる機会が少ない20世紀初頭の中国という世界観が非常に興味を唆られます。本作が欧米圏のプレイヤーたちに評価され始めたあかつきには、ぜひ日本語版もサポートしてもらいたいものですね。これぞヒット作の卵といった感じでしょうか。
インサイド そりす
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