【ポイント整理】APEC出席へ…岸田首相が出発 1年ぶり“日中首脳会談”実現なるか
■1年ぶり“日中首脳会談”実現なるか 中国に焦り?
日テレNEWS NNN
有働由美子キャスター 「アメリカ・サンフランシスコで行われるAPECに出席するため、日本の岸田首相が15日午後8時半ごろに羽田空港を出発しました。岸田首相は、中国の習近平国家主席とも首脳会談を行う方向ということですが、本当に実現するんでしょうか?」 小栗泉・日本テレビ解説委員長 「対面での日中首脳会談は実現すれば、米中首脳会談と同様に1年ぶりとなります。ただ、最後のプロセスとして、習主席自身による明確なゴーサインは、まだ出ていないようなんです。ただ、ある交渉関係者は、『7~8割はできると思っている』と話していました。なぜかというと、今回は、中国側から首脳会談を調整しようと言ってきたそうだからなんです」 有働キャスター 「その中国側の狙いは何ですか?」 小栗委員 「ポイントは、ライバル・アメリカ、そして、“焦り”ということです」 「まず、中国としては最大のライバル・アメリカとの関係が最大関心事なので、ある官邸関係者は、『アメリカとの首脳会談が先に決まったから、心の余裕ができて、じゃあ日中も…ということになったんだろう』と話していました」 「そしてもう1つは、中国の経済が失速していることに伴う焦りです。今、中国では不動産大手の企業が相次いで経営危機に陥るなど不動産バブル崩壊の様相を見せています。また、若者の失業率が過去最悪の21.3%。実に5人に1人が仕事がない状態なんです」 「そこにきて、中国への日本企業の誘致が進んでいないことが中国側の焦りにつながっていると、関係者は話しています」
■中国は妥協しない? 官邸関係者「首脳レベルで会うことには意味」
有働キャスター 「となると、中国側は今回、かなり妥協してくるんでしょうか?」 小栗委員 「それがそうでもないようです。今回の最大のテーマは、福島第一原発の処理水の海洋放出に伴って、中国側が日本産水産物の輸入停止措置をとっていることです」 「日本側は、科学的な根拠をもとに、この措置を撤廃するよう求めていますが、中国側は振り上げた拳をおろす状況になく、すぐに進展することは見込めません」 「この件で中国側がどんな言い方をしてくるかは、今回の最大の焦点とも言えますが、今の中国では習近平主席と話さなければ何も決まらないと言われているだけに、ある官邸関係者は『首脳レベルで会うことには意味がある』と話していました」