現役女子高生が痛快デビュー 日本一決定戦で2位発進「絶対上に行きたい!」
<日本女子オープン 初日◇26日◇大利根カントリー倶楽部(茨城県)◇6845ヤード・パー72> 原英莉花、このコブシはまるで五木ひろし【写真】 16歳が鮮烈なツアーデビューだ。高校2年生の新垣くららが7バーディ・3ボギーの「68」をマーク。4アンダー・2位タイのスタートダッシュを決めた。 午前11時25分に10番からスタート。序盤はバーディ、ボギーをひとつずつマークし、15番で1つ伸ばすと、17番からの連続バーディを奪い、3アンダーで折り返した。後半2バーディ・2ボギーで迎えた9番パー4では、グリーンに上がったときにスコアボードで自分の順位を確認した。 「途中まで3アンダーがトップだったのに、だんだんと下になってきていた(のが分かった)。『絶対上に行きたい!』と思って入れました」。約1.5メートルのバーディパットを沈める見事なフィニッシュだった。 出身は沖縄県の那覇市。キャディを務める父・博章さんの影響で6才からゴルフを始めた。高校は同県の名護市にあるゴルフ部の強豪・エナジックスポーツ高に入学。寮に入ってゴルフ漬けの毎日を送っている。男子プロの嘉数光倫の父で、かつて諸見里しのぶや比嘉真美子らを指導した森勇(しんゆう)さんに師事。月に1、2回ほどコーチングを受けている。 今大会には予選会を突破して出場権を獲得。この「日本女子オープン」がツアーデビュー戦だ。「めっちゃ緊張しました。(コースを)ちゃんと歩けるかな? とか思って不安だったんですけど、ギャラリーさんたちが『ナイスショット!』って言ってくれたりして。緊張がほぐれました」。ナショナルオープンの雰囲気に臆することなく、アマチュア最上位の位置で2日目を迎える。 目標とする選手はツアー通算5勝の飛ばし屋・渡邉彩香。地元・沖縄での「ダイキンオーキッドレディス」の会場でプレーを見て、その飛距離に魅了された。「めちゃくちゃ飛ばすじゃないですか。自分も飛ばしたいタイプ。私と似ていると思って、そこから渡邉選手のプレーをよく見るようになりました」。自身の平均飛距離は240~250ヤード。憧れの存在に少しでも近づくため、16歳は日々成長中だ。 「あと3日間、何が起こるか分からない。楽しんで気楽に。でも、しっかりスコアを出せるようなプレーをしたい。最終日にギャラリーから『いえーい』って(声援を)やられたいです」と無邪気に笑った。 キャディとして支える父のほかにも母と弟がいるが、仕事と学校で忙しく、残念ながら会場に来る予定はない。だが「『優勝争いしていたら行くよ』って(笑)」と“言質”は取ってある。日本一の座をかけて争う勇姿を、家族全員の前で披露してみせる。(文・牧野名雄)