ロレアル、23年12月通期は増収増益 中国の政策変更など響き営業利益の伸び鈍化
コンシューマープロダクツ事業本部は同12.6%増の151億7270万ユーロ(約2兆4276億円)と過去30年で最高の伸びを記録した。デモクラタイジング(民主化、一般化)とプレミアム化を同時に推進する戦略を継続し、主要4ブランドで2ケタ成長を達成。主な成長要因となった欧州と新興市場、特にメキシコ、ブラジル、インドが顕著な伸びを示した。「ロレアル パリ(L’OREAL PARIS)」は売上高70億ユーロ(約1兆1200億円)の大台を超えた。メイクアップでは、「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」の“ザ ファルシーズ シュール エクステンション マスカラ”のほか「ロレアル パリ」「ニックス プロフェッショナル メイクアップ(NYX PROFESSIONAL MAKEUP)」のリップなど新商品がけん引。スキンケアは「ロレアル パリ」のブライトニング新商品が成功した。
臨床皮膚医学の知見に基づく化粧品を扱うダーマトロジカル ビューティ事業本部は、同28.4%増の64億3200万ユーロ(約1兆291億円)と大きく伸長し6年連続の2ケタ成長を達成した。売上高は3年で2倍以上となった。同事業本部が擁するブランドで最も成長率が高い「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE POSAY)」は、紫外線ケアにおける画期的なイノベーションを備えたモイスチャライジングクリーム“アンテリオリス UVmune400”と、肌ダメージをケアする“シカプラスト”がけん引した。「セラヴィ(CERAVE)」や「ヴィシー(VICHY)」も力強い成長を維持した。
サロン向けヘアケア商材を展開するプロフェッショナルプロダクツ事業本部は、同7.6%増の46億5390万ユーロ(約7446億円)で、同事業本部にとって第2位の市場である中国本土と第5位のインドがけん引した。ブランドでは「ケラスターゼ(KERASTASE)」の最高峰ライン“クロノロジスト”や頭皮と毛髪の2方向へのアプローチを訴求する“ジェネシス”が好調で、「ロレアル プロフェッショナル(L'OREAL PROFESSIONNEL)」は 金属ストレスに着目したライン“メタルデトックス”などの画期的なイノベーションが成長を支えた。