大の里が新関脇に昇進 柔道女子の阿部詩は日体大同級生 ともに「連覇」がキーワード/名古屋場所
日本相撲協会は1日、大相撲名古屋場所(14日初日、ドルフィンズアリーナ)の新番付を発表し、小結だった5月の夏場所で初優勝を果たした大の里(24)が新関脇に昇進した。昨年夏場所の幕下付け出しデビューから所要7場所での新関脇は、元大関武双山と並び昭和以降2位のスピード出世。史上最速の所要場所で賜杯を抱いた大器は愛知・安城市の二所ノ関部屋で会見に臨み、「励み」と「刺激」を力にかえる。 【写真】2023年3月の日体大卒業式。中村泰輝(大の里)と記念写真におさまる阿部詩 プロ入りしてから番付を降下させたことがない。昨年夏場所の初土俵から7場所連続勝ち越しとなった夏場所で史上最速優勝を飾り、勢いを買って新関脇に。三役になって2場所目だが、大の里の視線は上へ、上へと向いている。 「先場所はすごく大きな自信となったが、次の場所が大事になってくると思う。上に目指せるものがあるのは、三役に上がった者の特権。アピールをして頑張りたい」 石川・津幡町出身。この日は能登半島地震発生からちょうど半年。現在も多くの住民が仮設住宅などの暮らしを余儀なくされているなか、7日には同町で「優勝祝賀パレード」が実施される。優勝してから故郷への初の凱旋(がいせん)。当日は朝稽古を終えた後に当地へ向かい、とんぼ返りとなるが、「土俵の上で勝つことが一番大事。その姿を石川県のみなさんに見せたいと思う」と励みにかえて奮起する。 津幡町では平成28年9月、リオデジャネイロ五輪レスリング女子63キロ級で金メダルを獲得した同町出身の川井梨紗子の祝賀パレードを実施。約1万人が沿道を埋めた。同町役場では「休日でもあり、今回はさらに集まると想定している」。 パリ大会で五輪2連覇が懸かる柔道女子52キロ級の阿部詩(23)=パーク24=とは日体大の「スポーツ文化学部武道教育学科」の同級生。同級決勝は今月28日深夜で、名古屋場所千秋楽と重なる。大の里によれば、最後に顔を合わせたのは大学の卒業式で「僕なんかとても…」と謙遜するが、くしくも「連覇」がキーワードとなる2人が土俵と畳で主役となる。(奥村展也)