竹内力が明かす映画『猿の惑星 キングダム』アフレコ秘話 〝帝王〟シーザー役「準主役のつもりで演じましたよ」 人気シリーズ最新作
ハリウッド映画史を築く人気シリーズの最新作「猿の惑星 キングダム」が10日から全国で公開される。1968年に第1作が公開されてから56年。「小学生のときに見て衝撃を受けて以来、シリーズ10作目の声優に選ばれ光栄です」。猿の王国の独裁者プロキシマス・シーザーの声優を務めた俳優、竹内力(60)に〝アフレコ秘話〟を聞いた。 声優の役作りについて「シーザー役のハリウッド俳優、ケヴィン・デュランドの演技をよく見て合わせるように発声していく。彼の演技と違和感のないアフレコを心がけました」と理路整然と手法を明かしてくれた。 300年後の未来。猿が圧倒的な進化を遂げる一方、人は退化し猿から隠れて暮らしていた。高い知能を持つ猿のノアと人類の命運を握る人間の女性ノヴァは、巨大な帝国の創設をもくろむシーザーに立ち向かうが…。 「自由の女神が現れ、実は〝猿の惑星〟は未来の地球だった…と1作目のラストは衝撃で翌日の小学校では皆その話ばかりで」と振り返る。 シーザーの声を演じながら、こうも意識した。「自分は支配者にはなりたくないが、シーザーが仲間の猿を引っ張っていく姿には共感できました」と。 1997年に映像会社「RIKIプロジェクト」を創設。俳優と並行し27年間、社員を牽引しながら経営者を続けてきた思いが重なったとも。 主演の人気シリーズ「ミナミの帝王」を長年続けてきたが、「1作で終わるだろう。最初はそう思っていたんですよ」と映像界の厳しさも吐露した。 映画のシーザーは憎らしい敵役。だが「エンターテインメントは敵がいないと成立しない。だから準主役のつもりで演じましたよ」と現場では力が入ったという。 60歳になり、医師からダイエットを勧められた。「92キロあった体重が今は71キロ。医師に注意された数値も正常に戻り体調は良好。あと10年は頑張りたいですね」 スリムになり精悍さを増した〝帝王〟は、シーザーのようなボスの貫禄で豪快に笑った。 (波多野康雅)