ECB総裁、「確信には時間がかかる」-インフレに不透明性残る
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)はインフレの脅威が過ぎ去った十分な証拠をまだ得ていないと、ラガルド総裁が主張した。ECBが今月は利下げを見送るとの期待を高めそうだ。
ECBは1日、ポルトガルのシントラで年次フォーラムを開催。ラガルド氏は開会に際して講演し、ユーロ圏の労働市場が堅調を維持しているため、ECBには最新の情報を分析する時間があると論じた。インフレが一時上振れした後であり、勝利を宣言するのはまだ早いとも述べた。
「利益と賃金、生産性の連環がどのように展開するのか、そして新たな供給側の衝撃にユーロ圏経済が打撃を受けるかどうかといった問題を中心に、将来のインフレについてはいくつかの不透明性がまだある。十分なデータを収集し、インフレが目標値を上回るリスクは過ぎたと確信できるには時間がかかるだろう」と語った。
この発言は今月開催される政策委員会会合での金利据え置きに傾いていることを示唆する。ECBが6月に利下げを開始して以降、その後の利下げペースやラガルド総裁の出身国であるフランスの政治混乱が金融政策に影響する可否を探ろうと、投資家は総裁の言動に注目している。
1日の講演ではフランスへの言及や、ECBの今後の道筋に関する具体的なガイダンスの提示はなく、入手するデータに従って決定していくとの従来の発言を繰り返した。
「労働市場は堅調で、ECBは新たなデータの収集に時間をかけることができる。ただ成長見通しが引き続き不透明であるという事実には留意する必要がある」と指摘。「これら全てが、データに依存し、会合ごとに政策を決定していくわれわれの決意を補強している」と続けた。
原題:Lagarde Says ECB Will Need Time to Weigh Inflation Uncertainties(抜粋)
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Mark Schroers, Alexander Weber, Joao Lima