【密着】亡き母の反対を押し切り、プロレスの道へ 本場メキシコで武者修行する息子へ届ける父の想い
週末のある日は試合のため、首都メキシコシティから車で1時間離れた小さな町へやってきた。第一試合から会場の熱気が最高潮に達する中、興史さんも出番を迎える。今回は日本から武者修行に来て半年になるマスクマンのKURAMAさんとタッグを組んで、マスクマンのメキシコ人タッグチームと対戦。メキシコ対日本の対抗戦は人気のカードで、完全に悪役であるKUUKAI・KURAMAタッグはリング内外で大暴れし、悪の限りを尽くして観客をあおっていく。一方、最初はやられ放題だったメキシコタッグも反撃を開始し、観客もヒートアップ。両者一歩も譲らぬ手に汗握る攻防となり、会場はこの日一番の盛り上がりをみせた。 初めて現地の様子を見た父・俊彦さん。練習の環境、以前より大きくなった息子の体格、そして何より熱いルチャ・リブレの試合に「全然日本とは違いますね」と目を見張る。また俊彦さんは、興史さんのプロレス界入りを反対していたという母・妙子さんとの秘話を披露し、「本人には言っていないと思いますけど、家内は喜んでいました。信念を貫いて、最後までやってほしいと言っていましたね」と、語られることのなかった母の本心を明かす。
トップという夢に向かい突き進む息子へ、父からの届け物は―
興史さんの今の夢は、メキシコのトップ団体CMLLに上がり、ルチャ・リブレの聖地であるアレナ・メヒコで試合をすること。そして、ついに今年の年末、CMLLの契約試験が受けられるところまで這い上がってきた。間近に迫る夢に向かい突き進む息子へ、父からの届け物は練習用の新しいレスリングシューズ。さらに手紙には、「『KUUKAI』の名前がメキシコでトップになることを期待しています」「立派なプロレスラーとして大成することを願っています」と綴られていた。そんな父からの激励に、まっすぐ前を見据えた興史さんは「トップに立って、『KUUKAI』の名前を世界中に届けたいと思います。もう少し待っていてください」と力強くこたえるのだった。 (読売テレビ「グッと!地球便」2024年9月22日放送)
読売テレビ「グッと!地球便」