振袖を華やかに引き立てる「振袖の帯」の選び方は?種類や柄、色…プロがアドバイス
華やかな振袖をさらに引き立てる和装小物の選び方について、髙島屋呉服部が答えます。
振袖の【帯】におすすめのもの
振袖の帯には「袋帯」(または「丸帯」)を合わせます。振袖の帯結びというと、「変わり結び」という言葉を耳にされることが多いのではないでしょうか。これは、留袖や訪問着など他の礼装の着物では、帯の後ろを「お太鼓結び」と呼ばれる形に結ぶのが一般的であるのに対して、振袖の場合はより華やかな印象に仕上げるために、帯の結び方をさまざまにアレンジし、工夫することに由来しています。 「変わり結び」にはいろいろな種類がありますが、代表的な例として、「ふくら雀」「文庫結び」「立て矢結び」などがあります。 <写真>左は立て矢の変わり結び、右は文庫の変わり結び。振袖にふさわしい華やかな後ろ姿をつくります。
帯の種類や柄は
袋帯の柄付けは大きくわけて三つあり、柄が連続してすべてに続くものを「全通(ぜんつう)」柄、胴に重ねて巻く際に隠れてしまう部分以外は柄がついているものを「六通(ろくつう)」柄、また、お太鼓結びを想定して、後ろ姿のお太鼓部分と前姿の見える部分にだけ柄を置いているものを「お太鼓」柄(または「三通(さんつう)」柄)と呼んでいます。 振袖には、変わり結びのアレンジがしやすい「六通」や「全通」の帯がおすすめです。振袖に合わせる「六通」の帯の代表的な柄としては、七宝(しっぽう)や亀甲(きっこう)などのおめでたい吉祥文様をベースにした連続柄や、草花をモチーフにアレンジした華文や唐草模様などがあります。 <写真>龍村美術織物による振袖用袋帯「結び七宝文」。
帯の色の合わせ方は
帯の色の合わせ方ですが、振袖は未婚の女性がまとう着物のなかで最も格が高いとされていますので、帯は、地や模様に金銀糸や金銀箔などを使用した豪華なものが好適です。金をベースにした袋帯は、振袖の色を問わずコーディネートしやすく、格調高い装いとなります。 <写真>龍村美術織物による振袖用袋帯「連珠(れんじゅ)七宝文」。
帯のなかに使われている色と振袖の柄の色を近づけていくと、着物と帯がよりまとまった印象となり上品なイメージです。金地のほかにも、白地、黒地の帯も好適です。振袖の色として代表的な朱赤には、金、白、黒、いずれの帯も映えますが、それぞれに印象が変わりますので、実際にお試しください。