二人がマッシュとレインの初対面シーンを振り返る

――今作では、お二人は共に収録を行えたのでしょうか？ 小林　現場ですれ違うことはあったのですが、一緒にアフレコはできなかったんですよ。 梶　そう。僕らは面識こそあるものの、レギュラー作品としての共演は、本作が初なんです。せっかくなので一緒に収録したかったのですが、スケジュールの関係で、残念ながら叶わずだったんです。千晃くんは他のキャストの皆さんとは一緒にアフレコできたの？ 小林　マッシュたち一行の5人はほぼ一緒に収録していましたね。5人とも世代が近いので、収録の時は和気藹々と、所々アドリブなんかを挟みつつ収録していました。 ――2期後半にはシリアスなシーンも増えていきます。その時も和気藹々とした雰囲気での収録だったのでしょうか？ 小林　そうですね、シリアス色強めとは言いつつ所々ギャグが挟まるんですよ。なので、終始和やかな空気で収録していました。ただ、後半になると登場するキャラクターがマッシュ以外全員上級魔法使いという瞬間も出てくる。なので、大先輩たちに囲まれて自分が座長をつとめることもありました。その時は和気藹々とした空気は感じつつも独特の緊張感は感じていましたね。 ――なるほど。梶さんは共演者の方との収録で思い出に残っていることはありますか？ 梶　実は僕、本作においては、アフレコのほとんどが1人だったんですよね。より深く自分の世界に入って演技ができたので、やりやすい部分もあったにはあったのですが……千晃くんの話を聞いていると、やはり羨ましいです。3期制作の時には、ぜひ僕も皆さんと一緒にアフレコしたいですね！　気が早いけど（笑）。 ――改めて、お二人が演じるマッシュとレインの初対面シーンについてもお聞きしたいです。シュールなシーンでしたが、どういった気持ちで演じたのでしょうか？ 梶　至って真面目に演じていましたよ（笑）。アニメとして完成した時にシュールな絵面になることは、もちろん理解していますが、レインとマッシュは本気で戦っているわけですからね。僕もレインの気持ちに寄り添って、真剣にセリフを発していました。 小林　僕も同じく、至って真剣な気持ちで演じていましたね。あのシーンでマッシュは飛んできたソードで椅子を作るという突飛な行動を取ります。でも、あれも彼なりの合理性を追求した結果だと思ったので、ギャグっぽいテイストは一切出さないように演じていました。 梶　ソードを椅子にしたのも、レインがウサギ柄のハンカチを出したのも、心の底から真面目にやっていたこと。ただ、それが本人たちの表向きなキャラクター性とズレていたから面白いシーンになっているだけなんです。 小林　そうなんですよね。なので、僕らが進んでギャグっぽい演技をすると観ている人が冷めてしまう。真剣にやるほどにシーンのシュールさが際立つと思い、本気の戦闘を演技で表現しました。 ――完成した時のシュールさではなく、キャラクターの感情に意識を向けていたと。 小林　そうですね。ただ、これも監督や音響監督がその方向性を望んでいたからという部分も大きいです。もしもあそこでギャグテイストの演技を求められたら、それに応えるべきだったとも思っています。 梶　アニメは総合芸術で、声優の演技は、あくまでそのパーツのひとつなんですよ。なので、監督が思い描く画に最適な演技を提供することを常に意識していないといけません。その大切さは、キャリアを重ねるほどに感じます。 小林　僕も最近同じことを感じています。デビューしたての頃は演技を詰め込むことばかり意識していました。アドリブもできる限り入れて、使うかどうかの選択は監督にお任せするのがベストだと思っていたんです。 でも、それって実はキャラクターを蔑ろにしている行為なんじゃないか、と考えが変わりました。今回の収録では望まれているものを厳選して出すことに徹し、アドリブも必要最低限なものに絞るように心がけています。 ――最後に第2期の見どころをお伺いしたいです。注目してほしいキャラクターなどはいますか？ 小林　花江夏樹さん演じるセル・ウォーに注目してほしいですね。第1期でも登場していますが、第2期では格段に出番が増えています。その中で花江さんが見せる演技の幅が本当にすごかったので見逃さないでほしいですね。一緒に収録もさせて頂いたのですが、同業者として本当に感動させられましたから。 梶　第2期全体としても、僕個人としても楽しみにしているのが、子安武人さん演じるマーガレット・マカロンです。 あの濃いキャラクターを、あの子安さんがどう演じられるのか。めちゃくちゃ気になります！（笑）。レインとの絡みも多いので、どんな仕上がりになるのか、今からとても楽しみです！ （C）甲本 一／集英社・マッシュル製作委員会