子どもの教育資金は、児童手当を貯めた「200万円」のみです。私立大学への進学を希望しているのですが、奨学金はいくら必要になるでしょうか…?
急激な物価高、変わらない低い給与……子どもの教育費の貯金までなかなか進められないという家庭も多いかと思います。 そこで本記事では、なんとか頑張って児童手当だけは貯金したという家庭をベースに、私立大学へ下宿で進学した場合の奨学金利用額について解説します。
児童手当を全額貯めるといくらになるのか
児童手当は中学校卒業までの子どもを育てる家庭に対して、3歳未満は月1万5000円、3歳以上小学校修了までは月1万円(第3子以降は1万5000円)、中学生は月1万円が支給されています。受給総額は誕生月によって若干異なりますが、4月生まれだと最大となる総額209万円を受け取れます。 なお、2024年12月支給分より支給期間が高校卒業(18歳の誕生日後の最初の3月31日)までに延長されます。まだ中学校を卒業していない子どもがいる人は、さらに36万円(1万円×36ヶ月/第1子・第2子の場合)貯金できる可能性があるということですね。
私立大学にかかる学費
文部科学省の調査によると、令和3年度入学者の私立大学の初年度納付金合計は約137万円です。初年度と同額の授業料と施設設備料が在学中にかかると想定すると、その後の費用は年間約111万円、3年間で約333万円となり、4年間の学費合計は約470万円となります。 国立大学、公立大学の納付金は4年間で約250万円なので、私立大学は国公立大学の倍近くの費用がかかるようです。
下宿にかかる費用
大学に通うため下宿する場合には、さらに費用がかかります。全国大学生活協同組合連合会の調査によると、2022年における下宿生の1ヶ月の生活費は約12万円となっており、そのうち約7万円を仕送り、3万円をアルバイト、2万円を奨学金でまかなっているという結果になっています。 4年間でかかる下宿費用は576万円です。うち144万円はアルバイトで稼ぐとしても、仕送り7万円は奨学金でまかなうとなれば月9万円、4年間で約432万円の奨学金を利用する必要があります。 これは学費約470万円とは別に必要となる金額であり、奨学金の合計額は約901万円に跳ね上がります。